GoToイート食事券、11カ月ぶり販売 制限が全面解除、埼玉県などが再開 飲食店、客足の戻りに期待
県などは4日から、新型コロナウイルスの影響を受けた県内飲食店への支援事業「GoToイート」食事券の新規販売を再開した。新型コロナウイルスの感染者数減少を受けて、先月末には飲食店などに行ってきた営業時間短縮などの各種制限を全面的に解除しており、さらに客足が戻ることが期待される。
食事券は、昨年10月末から販売を始めていたが、新型コロナ感染拡大を受けて11月末には第2次の販売を取りやめており、約11カ月ぶりの販売再開となった。
1組当たり販売額1万円で1万2500円分の食事券を購入できる。来月15日までを期限に、基本的な感染対策が済んでいることを証明する県の「彩の国『新しい生活様式』安心宣言飲食店+(プラス)」認証店など、約9200店で使用可能となっている。
飲食店への制限がなくなってから10日以上が経過し、飲食店は客足の戻りを実感しているようだ。
新型コロナワクチン接種証明書などを活用した酒類提供に関する実証実験を行っていた上尾市。同市の北海道食材が人気の居酒屋「北の国バル上尾店」では制限解除後初めての週末となった10月29日午後8時すぎ、酒を飲む利用客で70席ある座席はほぼ満席となった。
店長の川瀬公男さんは「これまでの静けさがうそのような忙しさ。うれしい悲鳴です」と笑顔で話した。その上で「GoToイート事業が再開すればコロナ前の活気を取り戻せるのではないか」と期待感を示した。
上尾駅東口に店を構える居酒屋「THE CHOICE」スタッフの張替菜々子さんは「仕事終わりに立ち寄ってくださる方が増えている」と語る。同店ではより多くの利用客を引き込もうと、11月中に行う“ひと足早い忘年会”を提案している。食事券の使用期限が来月15日であることなどを挙げ、「昨年は忘年会を開けなかった方が多かったと思う。感染対策をした上で楽しんでいただければ」と呼び掛けた。
県など首都圏4都県は感染再拡大を防ごうと、制限がない中でも「基本的対策徹底期間」として、各都県の認証を受けた店舗での飲食などを呼び掛けている。