埼玉新聞

 

懲戒解雇…現金5535万円を着服 群馬銀行 深谷の支店に勤務してた20代男性 顧客に新紙幣の両替を「目標がある」「無料で受け付ける」と虚偽の説明 深谷は新1万円札肖像「渋沢栄一」の出身地で「話題にしやすかった」と話す

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    5535万円着服した男性を懲戒解雇

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 群馬銀行(前橋市)は2日、深谷市の深谷支店兼深谷上柴支店渉外係だった20代男性の元行員が新紙幣への両替を無料で受け付けるなどとして、不正に預かった現金5535万円を着服し、ギャンブルに使っていたことが判明したと発表した。同行は男性を9月20日付で懲戒解雇処分とし、刑事告発も検討している。

 同行によると、顧客から9月3日に問い合わせがあり、調査を実施。8月13日~9月3日の間、「新紙幣への両替の目標がある」「両替を無料で受け付ける」などと虚偽の説明を行い、同様の手口で個人や法人の16顧客から現金を預かって着服した。男性の自宅や車からは現金420万円が見つかり回収した。

 新1万円札の肖像となった実業家の渋沢栄一は深谷市出身で、新紙幣発行時には大きな注目を集めていた。男性は「話題にしやすかった。金は競輪や競艇、スポーツくじに使った」と話したという。

 頭取、副頭取、人事コンプライアンス担当の専務は役員報酬の1割を3カ月辞退。同行は「今回の事態を重く受け止め、事件の再発防止に向け、より一層役職員のコンプライアンス意識の向上を図るとともに、内部管理体制の一層の充実に全力を挙げて取り組んでいく」とコメントした。

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