北海道の山岳地帯にだけ生息する準絶滅危惧種のエゾナキウサギが、冬を前に食料をため込もうと、鹿追町の然別湖近くの岩場で貴重な姿を見せている。5日午前は1匹が岩の上を素早く動き回りながら、木の葉を食べ、1度「ピチッ」と甲高い鳴き声を響かせた。
体長は15センチほどで「氷河期の生き残り」とも呼ばれる。数回この場所を訪れているという長野市の無職小林宣広さん(74)は「何度見てもかわいらしいし、地球の歴史も感じさせてくれる」と話した。
冬眠はせず、秋の間に餌を集め巣穴で冬を越す。「然別湖ネイチャーセンター」によると、原因は不明だが、今年は例年と比べて目撃が少ないという。