埼玉新聞

 

埼玉文学賞、正賞決定 小説部門アグニューさん、詩部門は新沢さん、短歌部門は森さん、俳句部門は渡邊さん

  • (左から)小説部門・正賞のアグニュー恭子さん、詩部門・正賞の新沢まやさん、短歌部門・正賞の森暁香さん、俳句部門・正賞の渡邊輝夫さん

 埼玉新聞社制定・埼玉りそな銀行特別協賛の「彩の国 埼玉りそな銀行 第52回埼玉文学賞」の4部門の正賞受賞作が決まった。小説部門はアグニュー恭子さん(44)=英国・ベルファスト=の「入間川」、詩部門は新沢(あらさわ)まやさん(34)=筆名・横浜市保土ケ谷区=の「おめかし」、短歌部門は森暁香(さとか)さん(78)=筆名・幸手市=の「しののめの空」、俳句部門は渡邊(わたなべ)輝夫さん(59)=栃木県栃木市=の「鏡の国」。

 小説部門の「入間川」は、高麗神社を訪れた坂口安吾の前に表れた足利基氏の霊が過去を語る。能の物語の構造に重ねた作品だ。詩部門の「おめかし」は夫婦の微妙な関係を表現した作品。短歌部門の「しののめの空」は日常の光景や感情の起伏を丁寧に詠んだ。俳句部門の「鏡の国」は鏡をテーマに日常生活を詠んだ20句をまとめた。

 賞金は小説部門が100万円で、詩・短歌・俳句部門はそれぞれ30万円。授賞式は22日、さいたま新都心のホテルで行われる。第52回埼玉文学賞は5~8月に作品を募集し、全国や海外から過去最高の865点(前年比210点増)の応募があった。

■小説部門

◇正賞

「入間川」アグニュー恭(きょう)子(こ)さん(44)=英国・ベルファスト

◇佳作

「玉葱(たまねぎ)ひとりきり」板垣(いたがき)傍子(よりこ)さん(61)=さいたま市南区「落日の蜘蛛(くも)」菊池(きくち)篤(あつし)さん(31)=さいたま市中央区

「質屋蔵」諸口正太(もろぐちしょうた)さん(61)筆名=さいたま市北区

■詩部門

◇正賞

「おめかし」新沢(あらさわ)まやさん(34)筆名=横浜市保土ケ谷区

◇佳作

「ひみつ」あんのくるみさん(35)筆名=さいたま市南区

「博物館にて」瀧沢(たきざわ)敦子(あつこ)さん(66)=日高市

■短歌部門

◇正賞

「しののめの空」森(もり)暁香(さとか)さん(78)筆名=幸手市

◇佳作

「限界集落」新井(あらい)巳喜雄(みきお)さん(68)=美里町

「Shall we danse macabre?」梅本(うめもと)真名(まな)さん(21)=さいたま市大宮区

「じゃじゃ馬馴らし」藤島(ふじしま)眞喜子(まきこ)さん(79)=春日部市

■俳句部門

◇正賞

「鏡の国」渡邊(わたなべ)輝夫(てるお)さん(59)=栃木県栃木市

◇佳作

「水の行方」金子(かねこ)和美(かずみ)さん(58)=皆野町

「岳の麓の」斯波(しば)広海(ひろみ)さん(61)=上尾市

「道の先」山﨑(やまざき)加津子(かつこ)さん(74)=狭山市

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