転落させて知人殺害、高い橋から…保身で周囲にうそつき 男に懲役14年 反省不十分、厳しい処罰望む遺族
2021/11/12/00:00
昨年8月、行田市の橋から知人男性を転落させて殺害したとして、殺人の罪に問われた、無職高山尚紀被告(52)=熊谷市円光=の裁判員裁判の判決公判が11日、さいたま地裁で開かれ、中桐圭一裁判長は懲役14年(求刑・懲役16年)を言い渡した。
中桐裁判長は判決理由で、高山被告が橋から約12・6メートル下の川に男性を転落させた犯行態様は、死亡させる危険性が相当高く悪質とし、「被害者の命が奪われた結果は重大で遺族が厳しい処罰感情を抱くのは当然」と指摘した。また、殺意が強いとは認められないとしつつも、犯行後に119番などの救護に向けた行動を取らず、関係者に自身の関与を隠すうそをつくなど、「不自然、不合理な弁解を述べて自身の責任を認めず、反省が不十分と言わざるを得ない」と述べた。
弁護側は酩酊(めいてい)状態の男性が被告の暴行から逃げようとして橋から落ちた可能性は否定できないとして傷害致死罪にとどまり、懲役4年が相当と主張していた。
判決によると、高山被告は昨年8月14日午前1時20分ごろ、行田市の利根川に架かる武蔵大橋で男性=当時(46)=の体を手でつかんで持ち上げ、欄干から約12・6メートル下の川に転落させて、溺水による窒息で死亡させた。