【ぷらっとTOKYO】「目白」の由来は不動尊 切手の博物館も見どころ
東京都豊島区にある目白の地名は、古くから信仰を集めた江戸五色不動尊の一つ「目白不動尊」に由来するとの説がある。JR目白駅前に広がる学習院大キャンパスの周辺を歩いた。
駅を出て、並木が美しい「学習院椿の坂」を3分ほど南へ下って「切手の博物館」へ。入り口で愛らしい郵便ポストが迎えてくれる。目白に住んだことがある漫画家楳図かずおさんのデザインで、代表作「まことちゃん」の「グワシ!」ポーズがほほえましい。
博物館は35万種もの国内外の切手を収蔵。1階展示室では年に4回、身近なテーマで約800点の切手を紹介する企画展を開く。主任学芸員の田辺龍太さんは「ユニークな切手は拡大して展示します。各国の文化や歴史が反映されている切手の奥深い世界に触れてください」と話す。
学習院大に沿って目白通りを歩き、明治通りをまたぐ「千登世橋」に。東京都によると1932年に完成した東京初の立体交差橋で、地域住民の生活を支え続けてきた。階段で明治通りに下りて橋を見上げると、重厚なアーチと道路のカーブが調和して印象的な景観を形作っている。
目白通りから「宿坂」を南へしばらく下ると、不動明王を祭る「目白不動金乗院」(目白不動尊)。江戸五色不動尊の5色は「青、黄、赤、白、黒」で、江戸幕府3代将軍徳川家光によって、同院に安置される不動明王に「目白」の号が贈られたとされる。職員が「五色不動尊の各寺院を巡る方も参拝に来られます」と教えてくれた。
宿坂を戻り、道なりに歩いて鬼子母神表参道沿いの「おにぎり・とん汁 山太郎」に立ち寄る。おにぎりブームの波に乗って2022年の開店以来、学生やカップルらでにぎわう専門店だ。人気の「肉そぼろ卵黄」「すじこ」のおにぎりと、だしが利いた温かい豚汁をいただくと、街歩きの疲れが一瞬で吹き飛んだ。
【メモ】切手の博物館の入館料は大人200円、小中学生100円。