救われた娘の命 支援に感謝 さいたまの堀籠さん、11日にさいたま市で講演 娘は心臓移植受け、現在小6 元気に学校生活送る
娘の命が助かったのは皆さんのおかげ―。心臓機能が低下する難病「拘束型心筋症」を患っていた、さいたま市に住む小学6年生女子児童の父親・堀籠(ほりごめ)啓太さん(41)が11日、さいたま市文化センター(南区)で講演する。米国で心臓移植手術を行うまでの苦難や、1億円以上集まった募金活動を振り返りながら、世界中からの支援に感謝を伝える。堀籠さんは「元気に生活できる今の娘があるのは皆さんのおかげ。渡航移植の経験を伝えることで、難病と申告され絶望的な気持ちになっている人の力になりたい」と話している。
女児は小学校入学時の健康診断で心臓に異常が見つかり、「拘束型心筋症」の診断を受けた。県立小児医療センターに通院していたが徐々に心不全が進行し、小学2年生の時に医師から米国での心臓移植手術を勧められた。拘束型心筋症は心臓の動きが硬くなって機能が低下する50万人に1人の難病とされる。
堀籠さんは宣告を受けた時、「目の前が真っ暗。見えない未来に不安しかなかった」。絶望の日々を過ごした。「娘のためにも前を向くしかない。後悔だけは絶対したくない」と渡航を決意。地元自治会や仲間が「救う会」を結成し、背中を押してくれた。
心臓移植手術に必要な金額は1億6600万円。宣告から1年後、街頭募金活動を開始すると、時にはボランティア100人以上が参加した。
インターネットを通じた海外からの募金に加え、同じ難病で苦しむ人からの支援もあり、約1カ月で目標金額に到達。女児は小学3年生の6月下旬に渡米し、8月に手術を受けて成功。現在は小学6年生になり、大好きなダンスに没頭しながら元気に学校生活を送っている。
募金活動でお世話になった「NPO日本移植支援協会」が今年25周年を迎え、イベントの一環で堀籠さんが講演することとなった。
講演会は4部構成。心臓移植など専門の国立成育医療研究センター医師や、骨肉腫からリハビリを続ける大宮アルディージャ元選手の塚本泰史さんらが登壇。最後に堀籠さんが「渡航移植を経験して」と題して講演する。
堀籠さんは「娘の命を救ってくれた皆さんに感謝を伝えたい」と話し「同じ難病で苦しむ人が海外でなく国内で移植手術できる日が来ることを願い、体験を語ることで少しでも力になれれば」と話している。
講演会は午後6時~同8時(開場は同5時)。事前予約不要で入場無料。
問い合わせは、メール(miu.sukuukai@gmail.com)へ。