男性死亡…段ボールぶつけられ問いただそうと近づき蹴った 男に懲役2年6月 「供述は不自然で、真摯に反省しているとは認められない」
2024/10/12/09:27
昨年6月、川口市内の老人ホームで入所者の男性=当時(89)=に蹴るなどの暴行を加え転倒させ、死亡させたとして、傷害致死の罪に問われたさいたま市見沼区、無職大沢日出男被告(72)の裁判員裁判の判決公判が11日、さいたま地裁で開かれ、小池健治裁判長は懲役2年6月(求刑・懲役4年)を言い渡した。
小池裁判長は判決理由で、大沢被告が背後から男性に突進したとして「受け身は困難で、危険性が高かった。軽微な暴行という評価はできない」と指摘。防犯カメラの映像から「男性が接触直後、直立していた」とする弁護側の主張を退け、「供述は不自然で、真摯(しんし)に反省しているとは認められない」とした。一方で、男性が段ボールを複数回ぶつけたことは「不当であり、頭にまでぶつけられ侮辱的な行為に怒りを感じたことは理解できないわけではない」とも述べた。
弁護側は、大沢被告が男性に段ボールの件を問いただそうと近づき、男性が段ボールを振りかぶったため足を1回蹴ったと主張し、執行猶予付きの判決を求めていた。
判決などによると、大沢被告は昨年6月28日、川口市内の老人ホームの廊下で、入所者の男性に突進し、足を蹴るなどの暴行を加え転倒させ、頭蓋内損傷によりさいたま市内の病院で死亡させた。