最高賞8年連続で獲得した「豚玉丼」、秩父の名店“たぬ金亭”全国丼GP快挙 長年愛され遠方から客
秩父市荒川上田野の飲食店「たぬ金亭」の豚玉丼が、「第8回全国丼グランプリ」の豚丼部門で金賞を受賞した。2014年のオープンから、8年連続で最高賞を獲得。店主の新井和夫さん(61)は「地元や観光客に支えられているおかげで受賞できた。コロナ禍で一時は休業し、苦しい時期もあったが、皆さんの期待に応えるため、10年連続受賞を目標に励んでいく」と喜びを語った。
同グランプリは全国丼連盟が主催し、全国の丼を対象に天丼、カツ丼、中華丼など全9部門の中から金賞を選出するコンテスト。今年は1289店がエントリーし、インターネット投票で11月10日(いい丼の日)に各部門計68丼の金賞を選んだ。
たぬ金亭は、家族経営の店を持とうと、鉄道会社に勤めていた和夫さんが脱サラして開業した。妻の裕子さん(61)、店長を務める長男健也さん(29)らと切り盛りしている。テラス席やドッグラン施設を完備したログハウス型の店舗が特徴で、休日を中心に地元の家族連れのほか、遠方からツーリング客らも訪れる名店として知られる。
豚玉丼は、カナダ産のハーブ三元豚をブロック状にカットし、秩父みそを使用した特製だれに漬け込み、じっくりと煮込んだ後、温泉卵と青ネギ、揚げ玉をトッピングした開業当初からの看板商品だ。「わらじかつ」や「豚肉のみそ漬け」に次ぐ、オリジナルの秩父名物を提供しようと、和夫さんが考案した。
「長年愛してくれるお客さんが投票してくれているおかげ」。和夫さんは8年連続でグランプリ金賞を獲得している理由を説明する。今回は厳しいコロナ禍を乗り越えての受賞だけに、喜びもひとしおだ。
緊急事態宣言に伴い8、9月は店舗を休業し、「利用客が戻ってこなくなるのではないか」と不安に襲われた。ただ、その間も豚玉丼を求めるツーリング客らが店前に集まり、「申し訳ない気持ちになった」という。
営業再開と同時に、なじみ客が顔を見せ始め、心配が一気に解消されたと話す新井さんは「皆さんの期待に応え続けていくためにも、引き続き感染防止対策を整えながら、豚玉丼の味を守っていく」と決意を込めた。
豚玉丼は、みそ汁やサラダなどが付き、価格は税込みサイズごとに850~1800円。大盛りご飯の豚玉丼にチーズやとろろ、ショウガ、ガーリックチップをトッピングにした「お祭り丼」(2千円)は平日限定で提供。19年からはレトルトパック「豚玉丼の具」(700円)も秩父地域の道の駅などで販売している。
営業時間は午前11時~午後4時。水曜と第3木曜は定休。問い合わせは、たぬ金亭(電話0494・54・1811)へ。