脚本家倉本聰さん(89)が13日、原作と脚本を手がけた映画「海の沈黙」の公開を前に札幌市で記者会見した。美術作品の真贋を巡り議論となった1960年の「永仁の壺事件」が構想のきっかけの一つで、「美とは何か」を問いかける内容。倉本さんは「60年間、なんとか映画にしたいと思ってきた」と述べた。映画は11月22日から全国上映される。
事件では、鎌倉時代の作とされたつぼについて、陶芸家加藤唐九郎が自身の作品だと告白。倉本さんは、途端に価値がないとみなされた風潮に納得がいかず、映画のテーマにしたいと考えてきたという。