埼玉新聞

 

ウニクス川越にオープンした「予防医療センター・クリニック」に期待 近年注目される「予防医学」とは

  • 今年10月にオープンした「ウニクス川越 予防医療センター・クリニック」

  • ウニクス川越 予防医療センター・クリニックの足立雅樹名誉院長(左)と清水正雄院長

 病気にかかりにくり身体づくりを目指し、健康の維持と増進を推進する「予防医学」に、近年注目が集まっている。今秋、ウニクス川越(川越市)でオープンした「ウニクス川越 予防医療センター・クリニック」では、医師による質の高い検診と結果の説明、専門家が指導を行うサービスを展開し、地域の予防医学の拠点として期待されている。そんなクリニックの特徴や今後の展望を足立雅樹名誉院長(66)と清水正雄院長(52)に語ってもらった。

―こちらのクリニックの特徴は?

 清水院長(以下、清水)検診の質です。一般的な項目だけ見たら質の部分は分からないと思いますが、検査時には、画像だけでなく動画だったり、人工知能(AI)技術を入れて画像処理を行うなどして技師と医師の相互検査を徹底しています。

 検査後に行う、医師からの結果の説明と専門家からの生活指導も最大の特徴の一つです。

 足立名誉院長(以下、足立) 100人いたら100人とも指導内容は違います。その人に合ったオーダーメイド指導をしていきたいですね。また1回目、2回目と人間ドックを受けていただいた方については、それぞれの検診結果の変化を踏まえた上での指導も行っていきたいと思っています。

―このクリニックは、病気の予防につながる情報や提案に力を入れた地域の「予防医学」拠点としての一役を担う。予防医学の現状は?

 足立 実を言うと予防医学は日本の医学から始まったところが多いのです。40~50年前から始まっていたものなのですが、さまざまな分野の日本の医師が予防医学に力を入れ始めたのが10年前くらい。私たちは画像診断を中心にしていますが、そのほかの分野では、例えば心臓の人間ドックが得意な先生などもいらっしゃいますので、お互いに学会などを通じて取りまとめている最中の医学でもあるのです。

 清水 予防医学は今までになかった概念です。医学と言えば、病気になったら治す、もしくは病気になりそうな異常がある時に手を加えるというとような考え方の医学が主流でした。

 予防医学というのは、「あなたの生活・運動習慣だとこの先にこういう病気になってしまうので、こういう風に生活を直した方がいいよ」という考え方の医学です。これまでは、医学でないと認識されていた部分があったのですが、流れが変わり医者が病気にならないためにどうしていけばいいのかを考え始め本格的に始動した発展段階の学問。このクリニックを拠点に地域の方に寄り添いながら、私たちもいろいろなことを勉強させてもらいたいと考えています。

―今後の目標は

 清水 まずは、ここの地域の健康寿命を延ばすことができるといいなと思っています。病気にならない身体づくりとして大事なのは、基本的には食事、運動、日常生活。けれど当たり前の日常を変えるにはきっかけが必要です。自身の日常を変えるきっかけづくりの場として多くの方に訪れていただければと思っています。

 足立 自分の身体の中にどんなものがあって、どんな状況なのかを知るのが大事だと思うのですが、知るのって怖いですよね。だから面談をして身体の状態を医師が説明することで、その人の不安を取ってあげる。そして、しっかりと検査結果を教えてあげてお互い納得できるような形にしていくことが医学が本当の予防医学のスタートだと思っていますので、そういった場所にしていきたいと思っています。

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