埼玉新聞

 

「道を教えてください」と突然声を掛けられた高校生 困っていると同級生通り2人で話聞く 男性の服は汚れ、電車賃も持たず 電車賃を負担して付き添い、交番へ 男性は捜索願が出され、無事家族のもとへ 高校生2人の行動を称賛

  • 春日部署の沢田好一署長(左)から感謝状を受け取った井出怜祈さん(中央)と佐久間なつみさん=春日部署

    春日部署の沢田好一署長(左)から感謝状を受け取った井出怜祈さん(中央)と佐久間なつみさん=春日部署

  • 春日部署の沢田好一署長(左)から感謝状を受け取った井出怜祈さん(中央)と佐久間なつみさん=春日部署

 行方不明者の発見に貢献したとして、春日部署は9日、幸手市の幸手桜高校2年の井出怜祈さん(17)と佐久間なつみさん(16)に感謝状を贈呈した。

 9月25日午後8時20分ごろ、東武日光線幸手駅付近の路上で、帰宅途中だった佐久間さんが80代の男性から「藤の牛島駅までの道を教えてください」などと声をかけられた。佐久間さんは話を聞いたが、突然のことで何をしたらよいのか分からずに困っていたところ、同級生の井出さんも通りがかり、2人で話を聞いた。

 男性の服は汚れ、春日部市の東武藤の牛島駅までの運賃も持っていなかった。同駅へ行く目的もあいまいだったことから、井出さんが運賃を負担して乗り換え駅の東武春日部駅まで付き添い、同駅西口交番に男性を引き渡した。男性には捜索願が出ており、同日午後10時半ごろ、迎えに来た家族に無事に引き渡された。

 佐久間さんは感謝状を受け取り、「無事で良かった。迷っている人を見かけたら自分から声をかけていきたい」と笑顔を見せた。井出さんは保護したことを家族に報告し、父から「よくやった」と褒められたという。「なるべく(迷っている人が)いない方がいいけど、周りの力を借りて助けたい」と話していた。

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