1966年に静岡県一家4人が殺害された事件で再審無罪となった袴田巌さん(88)に、衆院選の投票所入場券が届いたことが16日、関係者への取材で分かった。主任弁護人の小川秀世氏によると、静岡地検が上訴権(控訴する権利)を放棄した9日までに、袴田さんが住む浜松市の選挙管理委員会に対し、選挙権回復の手続きをするよう求めていた。
選挙権の回復は1980年の死刑確定から44年ぶり。姉ひで子さん(91)は14日、静岡市で開かれた集会で「(投票用紙に間違って)『袴田巌』と書いても、選挙の雰囲気を知ってもらいたい」と述べ、袴田さんを投票所に連れて行く考えを示していた。