埼玉新聞

 

流血の男性、夜の車道に…偶然いた会社員が救う 会社員の父も別の人を救助していた「相手を思って助けろ」

  • 赤星誠署長(左)から感謝状を贈呈された依岡伴征さん=所沢署

 道路上に横たわっていた男性を救助し、交通事故を未然に防いだとして所沢署は、狭山市の会社員依岡伴征さん(41)に感謝状を贈呈した。

 依岡さんは帰宅途中だった10月30日午後10時35分ごろ、所沢市泉町の県道を車で走行中、道路上に横たわっている男性を発見した。ハザードランプを点灯させ、車を停車。車を降りて男性の状態を確認すると頭から血を流していて意識もはっきりしなかったことから119番し、消防署員の指示を受けながら近くにいた通行人の男性と共に倒れていた男性を安全な場所まで移動させた。

 同署によると倒れていたのは市内在住の60代男性で当時酒に酔っていたという。救急搬送されたが入院はせず帰宅し、命に別条はなかった。男性は片側1車線の道路中央側に頭を向けて車線を塞ぐようにあおむけに倒れており、依岡さんが救助しなければひかれていた可能性が高かった。

 感謝状を受け取った依岡さんは「父親から以前目の前で発生した交通事故で救助を行った話を聞かされていて、『何かあった際には相手のことを思って助けるんだぞ』と言い聞かされていた。その言葉が頭に浮かんで行動できた。男性が無事で良かった」とほっとした様子で話していた。

 同署の赤星誠署長は「これから年末にかけて交通事故は増加する傾向があるととももに飲酒をする機会も増える。路上寝込みなどを発見した場合は通報するとともに警察官が到着するまでその場にとどまってほしい」と呼び掛けていた。

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