埼玉新聞

 

【東京ウオッチ】より良い生活デザインした信念の人―テランス・コンラン展、東京ステーションギャラリーで いまのTokyoをつかむイベント情報(19日~27日)

  •  コンランと彼がデザインした「コーン・チェア」(1952年撮影、レイモンド・ウィリアムズ・エステート蔵 Photo(C)Estate of Raymond Williams/Courtesy of the Conran family)(提供写真)

     コンランと彼がデザインした「コーン・チェア」(1952年撮影、レイモンド・ウィリアムズ・エステート蔵 Photo(C)Estate of Raymond Williams/Courtesy of the Conran family)(提供写真)

  •  ハビタの店内を再現した展示。1960年代に実際に販売された製品が積み上げられている=東京・丸の内(提供写真)

     ハビタの店内を再現した展示。1960年代に実際に販売された製品が積み上げられている=東京・丸の内(提供写真)

  •  アンリ・マティス「道化師」(「ジャズ」第1図、1947年刊、ステンシル/紙、ポーラ美術館)(提供写真)

     アンリ・マティス「道化師」(「ジャズ」第1図、1947年刊、ステンシル/紙、ポーラ美術館)(提供写真)

  •  マレーシアの伝統的家屋「ロングハウス」をモチーフとした「チョコレート シトラス チェスナッツケーキ」(提供写真)

     マレーシアの伝統的家屋「ロングハウス」をモチーフとした「チョコレート シトラス チェスナッツケーキ」(提供写真)

  •  「サロン ド パルファン 2024」で紹介されているセルジュ・ルタンスさんの香水(提供写真)

     「サロン ド パルファン 2024」で紹介されているセルジュ・ルタンスさんの香水(提供写真)

  •  コンランと彼がデザインした「コーン・チェア」(1952年撮影、レイモンド・ウィリアムズ・エステート蔵 Photo(C)Estate of Raymond Williams/Courtesy of the Conran family)(提供写真)
  •  ハビタの店内を再現した展示。1960年代に実際に販売された製品が積み上げられている=東京・丸の内(提供写真)
  •  アンリ・マティス「道化師」(「ジャズ」第1図、1947年刊、ステンシル/紙、ポーラ美術館)(提供写真)
  •  マレーシアの伝統的家屋「ロングハウス」をモチーフとした「チョコレート シトラス チェスナッツケーキ」(提供写真)
  •  「サロン ド パルファン 2024」で紹介されているセルジュ・ルタンスさんの香水(提供写真)

 ◎今週の一推しイベント

 【19日(土)】

 ▽「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」(~25年1月5日、千代田区・東京ステーションギャラリー)

 英国の生活文化に変革をもたらしたデザイナー、テレンス・コンランさんの多彩な歩みと世界観をたどる展覧会が、丸の内で開催されている。

 ファブリックのデザインが評価され、若くして名声を得る。1964年にライフスタイルを提案する小売店「ハビタ」を立ち上げ起業家としても成功した。

 80年代に東京・池袋の百貨店がハビタと提携し出店したが、当時はデザイン市場が成熟しておらずすぐに閉店。しかし、世界の厳選したインテリアアイテムをそろえた「ザ・コンランショップ」が94年に新宿へ進出すると、セレクトショップの先駆けとして日本人の生活にも影響を及ぼした。

 会場では、初期テキスタイルや、家具、食器などと、息子やクリエーターら影響を受けた人たちのインタビュー映像を合わせ約300点を展示。「建築などさまざまな分野の人々とつながり、デザインの可能性を追求し続けた幅広い功績に迫った」とキュレーターの泉川真紀さんは話す。

 新しい料理スタイルを提案するレストラン経営、ロンドンの倉庫街を一新させた都市計画、世界初となる産業デザインのミュージアム設立など、事業家としての業績も資料や写真で詳しく紹介。自邸の仕事場に置かれていた私物もならぶ。

 商品を積み上げるディスプレーを取り入れた60年代のハビタ店内の再現は圧巻だ。当時のハビタのカタログは「買い物より、暮らし方のヒントを伝えるといった啓蒙的な面の方が強かった」と泉川さんは言う。

 晩年は家具の制作に注力し、ものづくりへと回帰していった。「どの仕事にも人の生活の質を高めたいとの信念を感じる。誰もが暮らし方をデザインできるのだと教えてくれるまれな存在だ」

 ○そのほかのお薦めイベント

 【19日(土)】

 ▽「マティス―色彩を奏でる」(~27日、入場無料、中央区・ポーラ ミュージアム アネックス)

 20世紀を代表する画家の一人、アンリ・マティスの没後70年を機に、その作品を紹介する展覧会が銀座で行われている。会場が入るポーラ銀座ビル15周年も記念し、箱根のポーラ美術館が所蔵の貴重なマティス作品7点を集結させた。

 鮮やかな色を大胆に用いて表現することから“色彩の魔術師”と呼ばれる。本展では名作「リュート」をはじめとした初期から晩年までの室内油彩画を展示。ディレクターの松本美貴子さんは「色の組み合わせや人物のフォルムなど、大胆かつ繊細な筆致の特徴が表れている」と言う。

 晩年に制作した「ジャズ」は必見。版画20図と手書きの文章が組み合わさった作品となり、色彩による表現が音楽のようなリズムを感じさせる。20図そろった形で鑑賞できる機会は貴重という。「体が弱っても、南フランスの地で色を楽しむように制作を続けたマティスの神髄となる傑作だ」と松本さんは話した。

 ▽「クリスマスケーキコレクション」(~12月10日、港区・ザ・リッツ・カールトン カフェ&デリ、ケーキ予約はオンラインのみ)

 港区のホテルで、人気のクリスマスケーキの予約が開始されている。

 マレーシア出身のエグゼクティブ・ペストリーシェフ、ジョン・ツーカンさんが創作した4種を用意。

 注目は同国の伝統的家屋「ロングハウス」をモチーフとした「チョコレート シトラス チェスナッツケーキ」。ロングハウスとは、10~50人の人々が一緒に生活する長屋形式の家屋のことだ。

 「互いに受け入れ異なる文化が共存する多民族国家で、多くの家族が暮らすロングハウスは多様性の象徴だ」とツーカンさん。お菓子の家に栗のケーキを敷き、かんきつの風味にほのかな甘さや酸味を調和させた。

 欧州、中国、タイ、東京のホテルでキャリアを積んできた。「さまざまな国で得た経験や知識がケーキづくりに生かされていると思う」

 ▽「サロン ド パルファン 2024」(~29日、伊勢丹新宿店本館、メンズ館)

 毎年恒例の香水の祭典が、新宿で開催されている。今年のテーマは「本能」。日本で年々高まる香水の需要に応えて、国内外の約60ブランドが参加、上級者から初心者までが楽しめる内容となっている。

 調香師が作りあげた製品の「バックグラウンド」を知りたいお客が多いという。そんな要望に応えるのは、“フランスの知性・哲人”とも称されるセルジュ・ルタンスさんが調香し、自身の名前をつけたフレグランスブランドだ。夢、物語、子供の頃の記憶や旅の思い出をそれぞれの香りで表現した。

 「人とかぶらない、自分だけの香り」を探す人々の期待に沿って、朝、昼、夜など時間帯別に楽しめる香水もそろう。会場でしか手に入らない限定品、日本初登場となる製品の先行販売にも出合える。自分にとって最適な香水を探したい。

 【22日(火)】

 「第22回代官山 蚤の市」(~23日、渋谷区・代官山T―SITE)

 パリの雰囲気がただようのみの市が、代官山で開催される。

 アンティーク、古着、花、家具、雑貨などを扱う50店舗ものブースが登場。フランスにゆかりのあるお菓子などの店舗やキッチンカーの出店も。ここにしかない逸品と出合えるだろう。

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