埼玉新聞

 

男性死亡…18歳の車が突っ込む 飲酒運転で逆走、発覚しないようスピードを上げ速度100キロ超か…一時停止も無視、危険運転は成立せず 衝突するまで「運転は困難に陥っていない」

  • 【地図】川口市

    危険運転に問えず 逆走死亡事故=川口市

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 川口市で9月、一方通行道路を逆走した飲酒運転の乗用車が絡む死亡事故で、さいたま地検は18日、運転していた同市の中国籍の男(18)について、容疑罪名を自動車運転処罰法違反の危険運転致死から過失運転致死の非行内容に切り替え、さいたま家裁に送致したと明らかにした。

 同地検によると、逆走した一方通行道路は二輪車を対象から除外しており、同法の危険運転致死傷罪の規定では、対象を限定する一方通路道路は、逆走による危険運転が成立しないとした。飲酒や時速100キロ超とみられる運転についても、事故までの状況に照らして運転が困難に陥ったとは言えないと判断した。

 同地検の井ノ口毅次席検事は「結果が重大で危険で悪質な行為。警察とともに捜査を尽くしたが、危険運転致死罪のその他の構成要件に該当する事由は見いだせなかった」と述べ、遺族にも罪状の変更を報告したと明らかにした。

 男は9月29日、飲酒後に友人2人が乗る乗用車を運転し、一方通行道路を逆走し一時停止の標識を無視して市道交差点に進入。同市の会社役員男性(51)が運転する乗用車と衝突し、男性を死亡させて川口署に現行犯逮捕され、危険運転致死と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで同地検に送致されていた。

■逆走に気付きスピード上げ…100キロ超か(以下、続報記事)

 川口市の市道交差点で9月29日、一方通行の道路を逆走した飲酒運転の乗用車が絡む死亡事故で、逆走した乗用車が事故直前に時速100キロ超で走行していたとみられることが30日、捜査関係者への取材で分かった。川口署は30日、逆走していた乗用車を運転していた同市の中国籍の男(18)を自動車運転処罰法違反(危険運転致死)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いでさいたま地検に送検した。

 川口署によると、男は29日午前5時40分ごろ、川口市仲町の市道交差点を蕨市方面から草加市方面へ一方通行道路を逆走し、一時停止の標識を無視して交差点に進入。同市の会社役員男性が運転する乗用車と衝突し、男性を死亡させた。

 捜査関係者によると、男は友人と飲酒した後に乗用車を運転。一方通行の道路に気付き、逆走の発覚を免れるためにスピードを出して運転した旨の供述をしているという。また、事故後に逃走した同乗者2人は30日までに同署に出頭した。同署で事情を聴いているという。

■「事故」男が自ら110番(以下、逮捕記事)

 9月29日午前5時40分ごろ、川口市仲町の市道交差点で、乗用車同士の衝突事故が発生し、同市南町1丁目、会社役員の男性(51)が搬送先の病院で死亡が確認された。川口署は、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、同市の中国籍の無職男(18)を現行犯逮捕した。

 男は「酒を飲み、一方通行を逆走して交通事故を起こした」と供述していることから、同署は容疑を自動車運転処罰法違反(危険運転致死)に切り替えて捜査する。

 署によると、男は蕨市方面から草加市方面へ一方通行道路を逆走し、一時停止標識を無視して交差点に進入。東京都北区方面からさいたま市緑区方面に進行していた男性の車と衝突した。

 男が「自動車同士の事故」と自ら110番。署員が駆け付け、男の呼気1リットル当たり0・15ミリグラムのアルコールが検出された。事故後、男の車に同乗していた2人が現場から逃走したという。
 

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