埼玉新聞

 

心肺停止…ジムで男性倒れる 心肺蘇生を学んだ大学生らが処置「生きて!」 願い届いて回復「ほっとした」

  • 山田嘉則署長(後列左)から表彰状を贈呈された(前列左から)野上徹さん、井田盛太郎さん、小野健人さん=11月29日午後、浦和消防署

 スポーツジムで心肺停止状態となった男性に適切な救命活動を連携して行ったとして、浦和消防署は11月29日、同ジムスタッフで、大学3年野上徹さん(21)=北本市、大学2年井田盛太郎さん(20)=さいたま市南区、アルバイト小野健人さん(22)=同市浦和区=の3人に表彰状を贈呈した。

 同署によると、10月6日午後8時10分すぎ、浦和区上木崎2丁目のスポーツジムで、男性(60)がバスケットボール中に突然倒れ、心肺停止状態となった。3人は連携して、早期の119番通報、心肺蘇生法とAED(自動体外式除細動器)による救命活動を実施。男性は搬送先の医療機関で入院治療後、同26日に退院して社会復帰するまで回復した。

 3人は人命救助の研修を受け、勤務前にも応急手当の訓練をしていたという。最初に駆け付けた野上さんは「生きてくれ」と思いながら、訓練通りに対応し、119番通報を小野さんに要請。一緒に救命活動をした井田さんは「勇気を持って行動することがとても大事だった」と振り返った。男性と話すこともあったという小野さんを含め、3人は「男性が社会復帰もされて、本当に良かった」「うれしい気持ちです」「命を救えて、ほっとした」と話していた。

 3人に表彰状を贈呈した山田嘉則署長は「3人の連携と勇気ある行動により、尊い命を救うことができた。敬意を表し、お礼を申し上げます」とたたえていた。

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