埼玉新聞

 

秩父夜祭、巡業中止も屋台・笠鉾飾り置き 花火も1514発 林家たい平さん「伝統継承に粋な計らい」

  • 収蔵庫前で屋台を回転させる上町町会会員=3日午前9時ごろ、秩父市上町

 京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに日本三大曳山(ひきやま)祭に数えられる秩父神社例大祭「秩父夜祭」の大祭が3日、秩父市番場町の同神社などで行われた。昨年に引き続き6基の屋台・笠鉾(かさぼこ)の巡業は中止となったが、コロナ禍の早期収束と地域経済の活性化を祈り、屋台の飾り置きや、奉納花火の打ち上げなどが行われた。

 伝統と文化の伝承のため、上町町会は屋台の飾り置きを実施した。5日前に組み立てた高さ約6メートルの豪華絢爛(けんらん)な屋台を収蔵庫前で回転させ、町会の10~60代の約20人が太鼓ならしを実演。「ドドンコ、ドドンコ」という小気味よいリズムが2年ぶりに町内に鳴り響いた。

 見物に訪れた市内出身で落語家の林家たい平さん(56)は「伝統継承のためにも、飾り置きをすることは重要。山車の引き回しがなくても、秩父に来てくれた観光客のために、粋な計らいをしてくれた」と話していた。夜にはスターマインなど計1514発の花火が市内の羊山公園で打ち上げられた。

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