埼玉新聞

 

鳥インフルで1万7千羽殺処分へ…埼玉・美里の養鶏場 人に感染なく肉や卵は安全 埼玉16年ぶりの発生

  • 殺処分が行われた採卵養鶏場=7日午後2時20分ごろ、美里町

 埼玉県は7日、6日に美里町内の採卵養鶏場で確認された鳥インフルエンザの疑い事例が、遺伝子検査の結果、感染力や致死率が高い高病原性と確認されたと発表した。7日未明から殺処分を開始し、埋却処分に向け、防疫措置が行われている。大野元裕知事は同日午前、県庁で武部新農水副大臣と対応を協議し、会談後、記者団に「県としては国と緊密に連携し、迅速な初動対応、ウイルスの早期封じ込め、監視体制強化に取り組む」と述べた。

 6日に同町内の養鶏場で確認された鳥インフルエンザ疑い事例は、7日午前、遺伝子検査が行われ「H5亜型」と判明した。結果を受け、県は同日午前3時から当該農場で飼育されている約1万7千羽の24時間以内の殺処分を開始し、72時間以内の埋却処分へ向け防疫措置を行っている。周辺農場では移動制限が実施されるほか、制限区域付近に消毒ポイントを4カ所設置し、畜産関係車両の消毒を実施。また、環境省は発生農場の半径10キロメートル圏内を野鳥監視重点区域に指定し、県や市町村による調査や周辺住民への注意喚起などが行われる。

 高病原性鳥インフルエンザの農場での発生は、今季6県7例目。採卵養鶏場での発生は関東では今季初めてで、県内での発生は2005年8月以来、約16年ぶりとなる。

 知事との会談後、武部副大臣は記者団に「国としても万全の対応に努め、職員の派遣、人材の支援体制整備、原因究明のための疫学調査チームの派遣、生産者、消費者、流通業者への正確な情報提供等措置を講じる」と県への支援を表明。大野知事は「まん延防止、風評被害防止、事業者支援に努める」とも述べ、鳥インフルエンザの人への感染例がないことや、県産の鶏肉、卵が安全であり、安心して購入できることを強調した。

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