猫すぐ病気に…異変感じた客 「ねこやさん」の女逮捕、数々の病気そのままにしていた…その後、不起訴になるも再捜査し裁判へ 何匹も放置し「ご飯はあげた」と語っていた女、今は無職に
さいたま地検は21日、病気の猫を放置したなどとして2021年に動物愛護法違反の疑いで逮捕され、23年までに不起訴処分としていた東京都東村山市、無職の女(62)をさいたま地裁に起訴したと明らかにした。起訴相当などとした今年4月のさいたま第二検察審査会の議決を受け再捜査し、処分を変更した。
起訴状などによると、女はさいたま市内の自宅で猫の繁殖販売業を営み、21年9月ごろ~10月29日の間、結膜炎や耳ダニなどにかかっていた猫9匹の適切な保護を行わず虐待。第1種動物取扱業で扱う動物を猫30匹と申請し、21年9月に44匹に変わっていたのに10月26日までに届け出ていなかったとされる。
同検察審査会は、虐待事件として罰金の略式命令が出た1匹を除く、猫19匹について虐待や傷害が行われたとして起訴相当と議決していた。さいたま地検の井ノ口毅次席検事は「議決を受けて真摯(しんし)に再捜査した結果、9匹について虐待の事実を認定した」と話し、傷害の事実や他の猫への虐待の事実は認定できなかったと説明した。
■赤字経営の「ねこやさん」(以下、再逮捕記事)
病気の猫を放置したとして、県警生活経済課と浦和署は2022年10月27日、動物愛護法違反(虐待)の疑いで、さいたま市浦和区木崎3丁目、動物繁殖販売業の女(60)を再逮捕した。
再逮捕容疑は、2021年6月ごろ、雄猫1頭が耳ダニや中耳炎などに罹患(りかん)しているにもかかわらず、同年10月31日までの間、獣医師の診療を受けさせるなどの適切な保護をせず、虐待した疑い。女は容疑を認めているという。
同課によると、女は「ねこやさん」という店名で猫を販売。猫が病気にかかっている認識はあったという。同店で飼養していた猫は、数十匹が病気にかかっていたとみられる。
今回の猫は2021年10月31日、動物愛護団体が保護した。
同店は赤字経営で、女は「お金がなかった」と供述しているという。
■「ご飯を食べさせていた」(以下、逮捕記事)
病気になった猫を放置したとして、県警生活経済課と浦和署は2022年9月28日、動物愛護法違反(虐待)の疑いでさいたま市浦和区木崎3丁目、動物繁殖販売業の女(60)を逮捕した。
逮捕容疑は、自宅で飼養していた猫6匹が病気にかかっていたにもかかわらず、昨年6月ごろ~同10月29日までの間、獣医師の診療を受けさせるなどの適切な保護をせずに虐待した疑い。「医師の診察を受けさせなかったことは間違いないが、ご飯を食べさせるなど世話をしていたので虐待はしていません」と容疑を一部否認しているという。
同課によると、女は「ねこやさん」という店名で猫を販売。6匹の猫はスコティッシュフォールド、マンチカン、ミヌエットの3種で、呼吸器の疾患や結膜炎、皮膚炎などに罹患(りかん)していた。
女は、2021年10月29日時点で、2階建て住宅内で180匹の猫を飼養。同日、動物愛護団体が6匹の猫などを引き取ったという。
2021年10月、猫を購入した40代男性などから「猫を購入後、すぐ病気になってしまった」と同署に相談があり発覚。同市にも同様の相談が複数寄せられているという。同課は、猫が劣悪な環境で育てられていたとみて、詳しく調べている。