東京ドーム6個分の広大さ…東芝・深谷事業所の跡地、約半分を大和ハウスに売却へ 残り半分の売却急ぐ
2021/12/09/00:00
東芝が9月末に閉鎖した深谷事業所(深谷市)の跡地の約半分について、大和ハウス工業に売却する契約を結んだことが8日までに分かった。契約日は10月20日付で、金額規模は不明。同市の製造業のシンボル的存在だった同事業所の広大な土地の活用は、売却を含め動向が注目されていた。東芝の広報担当者は取材に「売却するのは事実」と回答。大和ハウスの広報担当者は「当社からのコメントは控えさせていただきたい」とした。
同事業所の跡地は同市幡羅町1丁目で、国道17号沿いにあり、敷地面積は東京ドーム6個分の約29万平方メートル。大和ハウスは西側エリアの約13万5千平方メートルを取得。東芝は残り半分の売却を含め対応を急ぐ。
跡地は都市計画法で定められた用途地域の一つで、工業の利便性を増進するための工業専用地域となっている。住宅、老人ホーム、店舗、図書館、運動施設、学校、病院などの建設は禁止されている。ただし工場と関連する事務所、保育所、診療所などの建設はできる。
一般的な住宅事業やネット通販市場の拡大を背景に物流拠点の整備のほか、土地活用スキームの提案、工場や事務所などの拠点の新築または移転の支援事業も手掛ける大和ハウス。東芝跡地の活用は幅広く検討するとみられる。
同事業所は1965年、国内初のテレビ専門工場として操業を開始。69年からはブラウン管工場が操業を始めた。同社の映像、電子デバイス事業の中核拠点として、テレビを軸に映像製品などの部品を生産。最盛時には約7500人が働いた。
しかし2012年3月に同所でのテレビ生産を終了し、国内生産から撤退。その後は航空機用ブラウン管を作っていたが、21年3月末に製造を終了していた。