埼玉新聞

 

89キロ超、正面衝突し3人死傷 2度免許取り消しの男、高速度運転繰り返す理由「スピード出すこと快感」

  • さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 飯能市で2018年10月、制限速度を89キロ超える約129キロで乗用車を運転して事故を起こし、3人を死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた会社員の男(34)の裁判員裁判の第2回公判が10日、さいたま地裁(小池健治裁判長)で開かれ、被告人質問が行われた。被告は制限速度40キロの山間道路で高速度運転を繰り返した理由について「スピード感覚がまひしていた」と述べた。

 過去に2度、速度超過などで免許取り消し処分を受けながらも、その度に免許を再取得した男。運転が不向きとは思わなかったのかと検察側に問われ「運転に自信があった。車に対する執着が強かった」と説明。裁判官から車好きという意識が快適に楽しむ一般人と違うと指摘され「安全よりも、スピードを出すことが快感だった」と答えた。

 起訴状などによると、男は18年10月19日、午前2時10分ごろ、飯能市平戸の国道299号を約129キロで走行し、カーブを曲がりきれずに対向車と正面衝突。対向車を運転していた男性=当時(23)=を死亡させ、助手席の男性=同(23)=と自車の助手席に乗っていた男性=同(20)=に骨折などの大けがを負わせたほか、同年4月20日には同市の国道299号で、乗用車を123キロで運転したとされる。

 県警は今年2月1日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで男を書類送検。地検が5月28日に在宅起訴していた。

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