埼玉新聞

 

駅前食堂で期間限定販売…ビールのような、ワインのような発泡酒 巨峰の香りと酸味、ホップの苦味が調和 埼玉・横瀬の地域商社と秩父の麦酒醸造所がコラボ 房販売できない巨峰の活用に挑戦

  • 「くまさんのまごぶどう」を紹介する、横瀬町地域おこし協力隊の吉村俊也さん(左)と鈴木七海さん

    「くまさんのまごぶどう」を紹介する、横瀬町地域おこし協力隊の吉村俊也さん(左)と鈴木七海さん=23日、西武鉄道横瀬駅前のENgaWA駅前食堂

  • 発泡酒「くまさんのまごぶどう」

    発泡酒「くまさんのまごぶどう」

  • 「くまさんのまごぶどう」を紹介する、横瀬町地域おこし協力隊の吉村俊也さん(左)と鈴木七海さん
  • 発泡酒「くまさんのまごぶどう」

 横瀬町の地域商社「ENgaWA(えんがわ)」と、秩父市下吉田の合同会社ベア・ミート・ビア秩父麦酒醸造所がコラボレーションした発泡酒「くまさんのまごぶどう」が、西武鉄道横瀬駅前のENgaWA駅前食堂で販売開始された。同町地域おこし協力隊員が栽培した巨峰の甘い香りとやわらかな酸味が、ホップの苦味と調和し、ビールのような、ワインのような味わいが楽しめる。

 町地域おこし協力隊員11人は昨年、琴平農園(同町芦ケ久保)の園主赤岩時夫さん(87)からブドウ畑の一部を譲り受け、種なし巨峰の栽培を始めた。赤岩さんの孫世代が、まごころ込めて育てたブドウは「まごぶどう」と名付け、年間約3千房を収穫している。

 今年は、形崩れなどで房販売ができない巨峰を活用した加工品作りに挑戦。同隊員の吉村俊也さん(24)らが約1カ月間、秩父麦酒醸造所に足を運び、果実の搾汁や醸造作業を手伝った。発泡酒は約千リットル製造し、約100リットルの果汁を使用している。

 吉村さんは「室温40度を超える仕込み室の中で丹念な作業を繰り返す、醸造の大変さを実感した。フルーティーな味わいを楽しんでもらうと同時に、中山間地域の農園継承という課題にも関心を持ってほしい」と話す。

 くまさんのまごぶどうは、樽生(税込み800円)と瓶入り(同700円、330ミリリットル)で期間限定販売中。

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