埼玉新聞

 

川越署員を再逮捕、病死男性の遺族の個人情報を漏らした疑い 関連ない別事件の被害者にメールで

  • 埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 病死した男性の遺族から現金をだまし取ろうとしたとして埼玉県警の警察官が逮捕された事件で、県警捜査2課と川越署は24日、地方公務員法違反(秘密を守る義務)の疑いで、川越署刑事課強行犯係巡査(25)=川越市中台元町=を再逮捕した。

 再逮捕容疑は2月4日朝、携帯電話のショートメールで、死因などの調査業務を通じて知り得た遺族の名前や住所を、別の事件で知り合った40代男性に漏らした疑い。「情報を漏らしたのは間違いない」と容疑を認めているという。

 同課によると、巡査がメールを送った男性は昨年10月30日に扱った知人間のトラブルによる傷害事件の被害者。同年11月7日に認知した変死事案に絡み、川越市の自宅で病死した女性=当時(63)=の遺族の名前や住所を漏らしていた。二つの事件に関連はないという。

 県警は4日、病死した川越市の無職男性=当時(67)=の遺族から、部屋の清掃や遺体搬出に費用がかかると偽って現金をだまし取ろうとしたとして、詐欺未遂の疑いで巡査を逮捕。押収した携帯電話の解析などから今回の犯行が判明した。巡査と男性は2月ごろから数十回、ショートメールでやりとりをしていた。

 県警は携帯電話の履歴などから、情報漏えいについて、巡査が男性に一方的にメールを送ったとみて、動機や経緯を調べる。

 県警の近藤勝彦首席監察官は「職員が再逮捕されたことは遺憾。ご遺族と県民の皆さまにおわびする。捜査と調査の結果を踏まえて厳正に対処する」とコメントを出した。

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