埼玉新聞

 

<熊谷小4ひき逃げ>母親が9万1095人の署名提出、時効撤廃を求めて法相宛てに「逃げた時点で殺人だ」

  • 嘆願書と署名を鷦鷯昌二参事官に手渡す小関孝徳君の母親(右)=22日午後、東京都千代田区の法務省

 熊谷市で2009年に小学4年の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、死亡ひき逃げ事故の公訴時効撤廃などを訴えている孝徳君の母親が22日、古川禎久法相宛てに嘆願書と署名を提出した。19年から始めた署名は22日現在、計9万1095筆に上った。

 嘆願書で母親は、「犯人が逃走している以上、過失運転致死傷罪ではなく危険運転致死傷罪で捜査を開始すべき」と指摘。「ひき逃げが許されない社会をつくるための時効撤廃」を訴えた。署名と一緒に法務省の鷦鷯昌二刑事局参事官に手渡した。

 母親は提出後、参事官から「今の情勢に合った法律にすべき」との返答があったとした上で、今後の活動に向けて「少し希望があった」と述べた。署名活動をする中で、「ひき逃げの時効が既に撤廃されたと思っている人がたくさんいることが分かった」と説明。「事故は過失がほとんどだが、逃げた時点で殺人に等しい。今後も情報提供を呼び掛け、署名活動をやっていきたい」とした。

 事故を巡っては16年に道交法違反(ひき逃げ)罪の時効が成立。県警は自動車運転過失致死罪の時効が迫った19年9月、罪名を危険運転致死罪(いずれも事故当時)に切り替えて捜査を継続している。

 母親はブログ「《未解決》熊谷市小4男児死亡ひき逃げ事故!」で情報提供を呼び掛けている。

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