埼玉新聞

 

会社ぐるみで持続化給付金だまし取る 地裁、埼玉・行田の建設会社・元社長に懲役2年6月「組織的で悪質」

  • さいたま地方裁判所=さいたま市浦和区高砂

 新型コロナウイルス禍で影響を受けた事業者らに国が支給する持続化給付金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた、行田市の建設会社「寿建設」元社長(35)と、元同社事務員(32)の判決公判が24日、さいたま地裁で開かれ、一場修子裁判官は元社長に懲役2年6月(求刑・懲役4年)、元事務員に懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)をそれぞれ言い渡した。

 一場裁判官は判決理由で、会社ぐるみで申請名義人を多数集め、虚偽の給与明細や確定申告書を作成していて「計画的かつ組織的で悪質」とし、計800万円の被害額も高額だと指摘した。その上で社長を務めていた元社長は元事務員に虚偽の給与明細を作成させ、必要書類のデータを税理士に送信するなどして持続化給付金の申請を依頼していたとして「主導的立場にあり、必要不可欠な役割を果たしていた」と強調した。元事務員については「従属的立場だった」と述べた。

 判決によると、両被告は複数人と共謀の上、昨年8月11日、個人事業者ではない2人をそれぞれ個人事業者と装って、虚偽内容の確定申告書の画像データを添付して持続化給付金を電子申請。同25日、2人の口座にいずれも現金100万円を入金させ、だまし取るなどした。

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