埼玉新聞

 

ウクライナ女性が料理店、群馬 「戦争思い出して」

  •  ボルシチをつくる「キッチンウクライナ」のクービック・ナタリヤさん=10月、群馬県桐生市

     ボルシチをつくる「キッチンウクライナ」のクービック・ナタリヤさん=10月、群馬県桐生市

  •  ボルシチをつくる「キッチンウクライナ」のクービック・ナタリヤさん=10月、群馬県桐生市

 ロシアに侵攻されたウクライナから群馬県桐生市に避難したクービック・ナタリヤさん(69)が10月、同市に料理店「キッチンウクライナ」を開いた。母国でもシェフだった経験を生かした。「料理を食べて、まだ戦争の中にあるウクライナのことを思い出してほしい」と語る。

 2022年2月にロシアが侵攻を開始すると、故郷の西部テルノピリでも空襲警報が鳴りやまず、避難した倉庫で震える日々が続いた。同年3月、桐生市に住む娘のオジブコ・スウィートラーナさん(48)を頼って来日。ナタリヤさんは「戻れるかどうかもわからないまま故郷を離れるのはつらかった」と涙ながらに振り返る。

 ボルシチやバレニキ(ウクライナのギョーザ)など伝統的な家庭料理を提供する。ウクライナ産ワインや手作りケーキも楽しめる。故郷からお守りとして持ってきたマリア像を飾っている。

 街を1人で歩いていても、日本語が話せないナタリヤさんをいつも周囲の人が助けてくれる。「得意な料理で、温かく迎え入れてくれた人たちに恩返ししたい」と話した。

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