埼玉新聞

 

知事印を押した文書を偽造、上司の私印を無断使用の決裁文書も 県、作成した職員を懲戒免職

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は26日、県管理の道路の整備不十分などで被害を受けた人に見舞金を支払う業務で、上司の私印を無断使用して決裁文書を作成したり、支払い請求手続きを行わず私費で見舞金を支払うなど、公文書偽造や不適切な事務処理を行ったとして、道路環境課の男性職員(33)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。

 県によると、男性職員は18年3月下旬、上司の私印を無断で使用して決裁文書を作成し、知事印を押した文書を偽造し施行。同年4月には、道路占用に関する照会文書について、上司の決裁なく知事名の文書を偽造、施行した。

 見舞金では、2017年度から18年度にかけて、支払い対象者となった人から催促を受け、保険会社への請求手続きを行わず、7件計640万8千円を自費で支払った。本来、見舞金は保険会社が算定し、相手側の了承を得て、県の請求を受けた保険会社が支払うものだった。18年5月、保険会社から算定後の状況確認があり、発覚した。男性職員は「相手に支払いを急がれ、やってしまった」などと話しているという。

 男性職員はほかに、職場の懇親会費計205万4千円を私費で支払っていたほか、集金した9万2千円を懇親会用口座に入金していなかった。また口座から自身の口座に185万円を引き出し、見舞金支払いの一部に充てていた。

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