彩り鮮やか!越谷だるま 埼玉・越谷のイオン、アートに見立てた縁起物並ぶ 七転び八起きで明るい年に
越谷市の「イオンレイクタウン」で、「2022越谷だるまアート展」が開かれている。市内のデザイナーが江戸時代から続く伝統工芸品「越谷だるま」をアートに見立てて装飾し、新たな息吹を吹き込んだ。縁起物として知られるだるま18体が並び、正月を鮮やかに彩っている。10日まで。
展示は越谷市だるま組合の協力で、昨年に続き2回目。デザイナーの花房茂さんが手掛けた。5段飾りの展示では、赤を基調にした一般的なだるまのほか、梅の花や平安絵巻の着物をイメージしただるまも。最上段のだるまは高さ約70センチ。正月らしさを全面に出し、鶴やたこ揚げ、松をデザインした。メインは今年の干支(えと)「寅(とら)」にちなんだ黄色のだるま。胸に「寅」の文字を力強く描いた。そのほかに歌舞伎の隈取り(くまどり)と日の丸をデザインしたユニークなだるまもある。
全体レイアウトは三角形の富士山型。赤いだるまを希望に満ちた初日の出に見立てて配置し、背景も和柄で正月らしさを演出した。
「越谷だるまはひげやまゆなど、職人によって個性が出る。その細かい違いが面白い」と花房さん。色白で端正な顔立ちの「越谷だるま」の特性を生かすため、製作では和紙や千代紙を貼り合わせるほか、絵柄を書き加えてアート作品に仕上げる。一体仕上げるにも数週間かかるという。
デザイン会社で店舗演出や商品開発など携わってきた花房さんは2011年に独立。越谷伝統工芸品のだるまを広めて技術や文化継承につなげようと、地域活性化などにも取り組む。
「コロナ禍はもちろん、年末にかけては大阪の火災や有名人の逝去など、暗いニュースの多い年だった」と振り返る花房さん。手掛けただるまには「七転び八起き」の思いも込め、「だるまのように絶対に倒れずに前を向き続ける。22年は誰もが明るい年になるよう頑張って立ち上がる、というメッセージを感じてもらえたらうれしい」と話している。
イオンレイクタウンmоri2階の豆の木ステージで開催中。
問い合わせは、花房さん(電話090・9106・7643)へ。