埼玉新聞

 

コロナ下2度目の初詣、境内に戻るにぎわい 埼玉県内の寺社に多く参拝者、静かに願い「早く元の生活に」

  • さい銭箱の前で静かに手を合わせる参拝者=2日午前、武蔵一宮氷川神社

  • 本殿の前で静かに手を合わせる参拝客=2日午前10時35分ごろ、熊谷市妻沼の妻沼聖天山歓喜院

 新型コロナウイルス下で迎えた2度目の新年、県内の寺社には2日、多くの県民らが初詣に訪れた。新規感染者の減少に伴い、境内はにぎわいを取り戻しつつあるが、新変異株の脅威など安心できる状況にはなっていない。「今年こそは収束を」「早く元の生活に」。参拝客は感染対策に注意を払いつつ、願いを込めて手を合わせた。

■大宮・氷川神社

 例年約200万人が訪れるさいたま市大宮区の武蔵一宮氷川神社。昨年は新型コロナウイルス感染者急増に伴い、三が日の参拝者は約60万人にとどまった。

 同神社によると昨年に続きコロナ対策のため、手や口を清めるちょうず舎の使用を禁止。屋内の祈祷は1団体10人までに制限した。昨年ゼロだった露店は、今年は三が日で約10店舗、4日以降で約80店舗に制限を緩和する。神社関係者は「今年の元日は(コロナ前と比べ)6~7割の参拝者数。徐々に日常に戻りつつあるのでは」と話す。

 午前11時20分すぎから、境内への入場規制を実施。正午過ぎには参道にかけて数百メートルの列ができた。おみくじや神札所、「寅(とら)」の巨大絵馬の前にも多くの人が押し寄せた。

 さいたま市中央区の木下久枝さん(84)は「例年は長時間並ぶがスムーズにお参りできた」と笑顔を見せ「昨年は健康だったので今年も健康第一を願いました」。社会人2年目を迎える同市北区の矢野愛実さん(23)は「職場や人に恵まれ、充実した1年を過ごせた。今年はより飛躍したい」と意気込む。同市西区の江原きよしさん(63)は「孫が4月から小学生になるので成長が楽しみ」と喜ぶ一方、「今年こそコロナが収束してほしい」と願った。

■熊谷・聖天山

 地域住民から「聖天さま」の愛称で親しまれる熊谷市妻沼の妻沼聖天山歓喜院。2012年に本殿の「聖天堂」が国宝に指定された。2日は本殿から参道まで長い行列ができ、多くの参拝客でにぎわいを見せた。参道には露店も並んだが、新型コロナウイルスの影響で、境内は食べ歩きを禁止とした。

 市内から訪れた清水友貴君(10)、裕貴君(8)兄弟は「風邪をひかずに勉強や運動を頑張りたい」と意気込む。市内から家族3人で参拝した主婦鈴木由美子さん(59)は「新型コロナが一日でも早く収束し、家族が健康で過ごせれば」と語り、市内の馬場金正さん(71)、由美子さん(68)夫妻も「新型コロナの変異株が心配だけど、早く元の生活に戻れれば」と話した。

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