埼玉パナソニック、熊谷での開幕戦が中止に 機運高め心待ちしたファンら「残念」「残りは全勝を」
ラグビーのリーグワンは7日、熊谷市上川上の熊谷ラグビー場で16日に予定していた第2節の埼玉パナソニックワイルドナイツとNECグリーンロケッツ東葛の試合の中止を発表した。ワイルドナイツは7日に開催予定だった第1節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイに続いて2試合連続の中止となり、熊谷での開幕戦を心待ちにしていたファンらからは「残念」という声が聞かれる一方、「残りの試合は全勝を」などのエールもあった。
昨年8月に本拠地を熊谷に移転した埼玉パナソニックワイルドナイツ。今月16日のホーム開幕戦では、市内の小中学生が手作りしたのぼり旗を熊谷ラグビー場に掲げ、市内などの小中学生も無料招待する予定だった。昨年末には市とまちづくり熊谷がJR熊谷駅から同ラグビー場までの「ラグビーロード」や同駅周辺に街灯バナーを掲出し、徐々に機運が高まっていた。
ワイルドナイツの本拠地である熊谷スポーツ文化公園内のさくらオーバルフォートで、昨年9月にオープンした「カフェトラットリアフォルテブル」のシェフ高村亮さん(38)は「年末年始はお客さんも多く、盛り上がりを感じていた。選手のことを考えると胸が痛いが、早く試合ができるようになれば」と願った。
ワイルドナイツチームストアを群馬県伊勢崎市から訪れた30代女性と60代女性の親子は「国立と熊谷の開幕戦のチケットを買っていたけど、払い戻しになってしまった。残念だけど、試合が再開したら全勝してほしい」と期待。通り掛かった近所に住む吉田文子さん(58)も「にわかファンだけど、やっぱり寂しい。早くラグビータウン熊谷を盛り上げてほしい」と話した。
小林哲也市長も「非常に残念。新型コロナウイルスの感染拡大防止とともに、今後に向けた感染対策をしっかり行い、安心安全な環境の下、大勢のファンと共に熊谷ラグビー場で躍動する選手たちを応援できることを心待ちにしている」とコメントした。
一方で、ラグビータウン熊谷にとっては明るい話題も。ワイルドナイツの青柳勝彦コーチの息子である潤之介選手(2年)、市立吉岡中学校出身の飯野和音選手(3年)が所属する国学院栃木高校が8日に大阪府の花園ラグビー場で決勝戦が行われた全国高校ラグビー大会で準優勝した。
飯野選手を指導した吉岡中ラグビー部顧問の小松将馬さん(33)は「教え子が高校ラグビーの決勝に出るとは思わず、とてもうれしかった」と喜びを語った。飯野選手はフォワードだったが、小松さんの勧めでスクラムハーフに転向。自ら考案したサインプレーを実践していたという。
同じく飯野選手を指導していた熊谷ラグビースクールの木部芳徳校長(71)は「ラグビーを好きになってもらうよう教えているが、教えていることは間違っていなかった。大学でもラグビーを頑張ってほしい」とエールを送った。