埼玉新聞

 

埼玉パナソニック、熊谷での開幕戦が中止に 機運高め心待ちしたファンら「残念」「残りは全勝を」

  • ファンクラブ限定スペシャルマッチとして行われた埼玉パナソニックワイルドナイツと東芝ブレイブルーパス東京の練習試合の様子=2021年12月25日、熊谷市上川上の熊谷ラグビー場

 ラグビーのリーグワンは7日、熊谷市上川上の熊谷ラグビー場で16日に予定していた第2節の埼玉パナソニックワイルドナイツとNECグリーンロケッツ東葛の試合の中止を発表した。ワイルドナイツは7日に開催予定だった第1節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイに続いて2試合連続の中止となり、熊谷での開幕戦を心待ちにしていたファンらからは「残念」という声が聞かれる一方、「残りの試合は全勝を」などのエールもあった。

 昨年8月に本拠地を熊谷に移転した埼玉パナソニックワイルドナイツ。今月16日のホーム開幕戦では、市内の小中学生が手作りしたのぼり旗を熊谷ラグビー場に掲げ、市内などの小中学生も無料招待する予定だった。昨年末には市とまちづくり熊谷がJR熊谷駅から同ラグビー場までの「ラグビーロード」や同駅周辺に街灯バナーを掲出し、徐々に機運が高まっていた。

 ワイルドナイツの本拠地である熊谷スポーツ文化公園内のさくらオーバルフォートで、昨年9月にオープンした「カフェトラットリアフォルテブル」のシェフ高村亮さん(38)は「年末年始はお客さんも多く、盛り上がりを感じていた。選手のことを考えると胸が痛いが、早く試合ができるようになれば」と願った。

 ワイルドナイツチームストアを群馬県伊勢崎市から訪れた30代女性と60代女性の親子は「国立と熊谷の開幕戦のチケットを買っていたけど、払い戻しになってしまった。残念だけど、試合が再開したら全勝してほしい」と期待。通り掛かった近所に住む吉田文子さん(58)も「にわかファンだけど、やっぱり寂しい。早くラグビータウン熊谷を盛り上げてほしい」と話した。

 小林哲也市長も「非常に残念。新型コロナウイルスの感染拡大防止とともに、今後に向けた感染対策をしっかり行い、安心安全な環境の下、大勢のファンと共に熊谷ラグビー場で躍動する選手たちを応援できることを心待ちにしている」とコメントした。

 一方で、ラグビータウン熊谷にとっては明るい話題も。ワイルドナイツの青柳勝彦コーチの息子である潤之介選手(2年)、市立吉岡中学校出身の飯野和音選手(3年)が所属する国学院栃木高校が8日に大阪府の花園ラグビー場で決勝戦が行われた全国高校ラグビー大会で準優勝した。

 飯野選手を指導した吉岡中ラグビー部顧問の小松将馬さん(33)は「教え子が高校ラグビーの決勝に出るとは思わず、とてもうれしかった」と喜びを語った。飯野選手はフォワードだったが、小松さんの勧めでスクラムハーフに転向。自ら考案したサインプレーを実践していたという。

 同じく飯野選手を指導していた熊谷ラグビースクールの木部芳徳校長(71)は「ラグビーを好きになってもらうよう教えているが、教えていることは間違っていなかった。大学でもラグビーを頑張ってほしい」とエールを送った。

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