カンボジアを拠点に特殊詐欺電話をかけていた日本人の男ら29人が逮捕されるなどした事件で、県警の合同捜査本部は18日、長野県の高齢女性に対して同様の電話をかけて現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、新たに男4人をフィリピンから移送し、航空機内で逮捕した。4人はいずれもかけ子とみられる。

　捜査本部はこれまでに、高齢女性を対象とした同様の特殊詐欺の手口で犯行を行ったとして、男29人を逮捕、再逮捕するなどしており、グループによる特殊詐欺事件110件を確認。被害総額は10億1700万円に上った。他にもリーダー格の人物がいるとみて捜査を進め、国外を拠点とした別の特殊詐欺グループとの関連を調べている。

　逮捕容疑は氏名不詳の者らと共謀し、昨年7月、カンボジアから介護施設担当者などを名乗り長野県の80代女性に対して、「介護施設に優先的に入居する権利を有している」として譲渡を提案した上で「権利を他人に使用させると犯罪に当たる」などと電話し、疑いを晴らすための費用として、指定した場所に現金計275万円を送付させてだまし取った疑い。