驚き!9歳が“そば打ち初段”合格 前日は道場で苦戦するも検定本番はトップの早さ 最年少で快挙、母喜ぶ
杉戸町の「杉戸麺打愛好会小川道場」(小川伊七館長)に通う茨城県古河市立古河第二小学校3年生の宮崎結衣さん(9)が、手打ちそばの技術や知識などの習熟度を審査するNPO法人「そばネットジャパン」の技能検定で最年少で初段に合格した。検定は15日、伊奈町の県民活動総合センターで行われた。小学生の受検は初めて。宮崎さんは「一人でそばを打てる目標は達成できた。細かい切りができるようさらに技術を磨きたい」と抱負を語った。
初段は、水回しや練り、延ばしなどの各作業工程で、45分の制限時間内に一定の規格に沿ったそばが打てるかどうかが評価のポイント。初段の受検者20人のうち小学生が宮崎さん含め2人いた。
同会代表理事の阿部成男さん(75)によると、幼少期から手作り料理の良さを体験してもらい、そば打ち愛好者のすそ野を広げるため、同会の段位認定試験では小学生から受検資格を与えているという。
宮崎さんは、小川道場でのそば打ち体験を経て昨年9月に同会に入会。「のみ込みが早く、覚えがいい」と小川館長。短期間で腕を上げ通常1年かけて覚える基本技能を半年ほどで習得した。本来ならば3級から受検するが、小川館長は「段位取得ができる力量」と判断し、昨年末に初段受検を勧めた。年始は小川道場に通いつめ、検定に備えた。
当日は「練り、延ばし、切りの時間配分に意識して試験に臨んだ」と宮崎さん。他の受検者より水回しや練りに時間をかけたが、その後の作業は手早く進め、終了時間5分前にトップで作業を終えた。
宮崎さんの後方で作業を見守っていた小川館長は「前日の練習時は、時間内に終えることができなかったが、本番では注意点を守って最初に終えることができた。彼女の合格で次に続く青少年が増えると思う」と期待した。
合格の発表を受けた母親の千香さん(38)は「これほど早く段位を取得できると思っていなかった。日本の伝統文化をしっかり身に付けてもらえれば」と喜んだ。