埼玉新聞

 

ぞっとする…玄関を開けた男性、襲撃され「恐怖や怒りが収まらない」 襲った男、法廷で「その言葉を一生忘れない」 強盗の報酬で高級スーツを用意、旅行していた無職22歳 懲役17年を求刑「浅はかでした」

  • 【地図】川口市

    住宅を襲撃する強盗事件が起きた川口市

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 2022年に埼玉、茨城県で6件の強盗や窃盗事件を起こしたとして、住居侵入、強盗致傷などの罪に問われた茨城県日立市、無職の男(22)の裁判員裁判の論告求刑公判が21日、さいたま地裁(小池健治裁判長)で開かれた。検察側は懲役17年を求刑し、弁護側は懲役8年が相当と主張して結審した。判決は27日に言い渡される。

 論告で検察側は、6件の事件について「組織的かつ計画的で、被害者に強い恐怖や金銭的損害を与える粗暴な犯行」と非難。「強盗の報酬を高級スーツや旅行の費用に充てていた」と常習性を指摘し、「昨今、社会問題化している強盗事件について警鐘を鳴らす必要がある」と厳罰の必要性を強調した。

 また、22年11月に川口市の住宅に押し入り、現金約500万円を奪った事件では、ガムテープで縛られる暴行を受けた住人の男性=当時(23)=が被害者参加制度で出廷。「抵抗したら殺されていたかもしれないと思うとぞっとする」と振り返り、「被告に謝罪の気持ちは見受けられず、恐怖や怒りが収まらない。最大限重い処罰を希望する」と述べた。

 一方、弁護側は男が「末端の中の末端。(他の実行役の)足を引っ張ることもあった」と役割が大きくなかったと主張。社会への警鐘のため厳罰を科すことについては「より重く処罰されるべき指示役は1件しか起訴されていない。末端の男を重く処罰するのは本末転倒」と反論した。男は最終陳述で「自分は身勝手で浅はかでした。被害者の言葉を一生忘れない。申し訳ありませんでした」と述べた。

 起訴内容などによると、男は22年6~12月、氏名不詳者らと共謀し、つくば市の住宅に侵入。住人の男性=当時(70)=に「殺すぞ」などと脅迫して現金約24万円を奪うなど、6件の事件を起こしたとされる。

■自力でガムテを解いた男性、隣家に助けを求めた(以下、初報記事)

 2022年11月15日午前11時半ごろ、川口市前上町の戸建て住宅に性別不明の2人が侵入し、家屋内にいた20代男性にけがを負わせ、現金や銀行通帳などを奪い逃走する強盗致傷事件が発生した。

 川口署によると、2人は住宅のインターホンを押し、被害男性が玄関を開けたところで室内に押し入った。その後被害男性をいすに座らせて両手、両足といすの足をそれぞれガムテープで縛り、刃物のようなものを突き付け「金目の物はどこだ」などと脅迫したという。2人は住宅内を物色し、現金約500万円と複数の銀行通帳を奪い逃走。男性は手に擦り傷を負ったが軽傷だという。

 2人の逃走後、男性は自分で緊縛を解いて隣家に助けを求め、午後0時7分に「家で一人でいたところ、不審者に侵入され襲われた」「ガムテープで体を抑えられた」と110番した。

 2人の特徴は、1人目が20~30代くらいで身長170センチ、黒っぽい服装で黒色の靴、目出し帽を着用していた。2人目も黒っぽい服装だったという。
 

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