埼玉新聞

 

暴れる元妻をナイフで落ち着かせていた男、母親に「元妻殺害宣言」…その後刺され元妻死亡「殺意なかった」

  • さいたま地方裁判所=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 さいたま市で2019年12月、元妻を刺して殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた、同市岩槻区諏訪、イラン国籍でトラック運転手の男(53)の裁判員裁判の初公判が24日、さいたま地裁(金子大作裁判長)で開かれた。男側は「殺意を持って突き刺していない」などと起訴内容を一部否認した。

 検察側は冒頭陳述で、男は犯行前、元妻の殺害を宣言していたと説明。自身の母親などに「元妻の動脈を刺して殺すことを宣言するメッセージなどを送信していた」と述べた。また、首だけで13カ所の刺し傷があったことなどから「意図的に首などを果物ナイフで複数回突き刺しており、殺意があった」と主張した。

 弁護側は、以前から元妻が興奮して暴れる際、果物ナイフを見せることで落ち着かせていたと説明。事件当日も「暴れないように抑え、顔や首を傷つけてしまった」と、殺人ではなく傷害致死に当たると主張した。

 起訴状などによると、19年12月3日午後8時15分ごろ、岩槻区諏訪の公園などで元妻=当時(50)=の首などを果物ナイフで多数回突き刺すなどし、失血死させたとされる。

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