埼玉新聞

 

新元号・令和の漢字に「よきみらい」 難病のアーティストが作品発表「令和は良かったと思える時代に」

  • こころMoji「令和」に「よきみらい」を描いた浦上秀樹さん

 難病を患いながら漢字の字画にひらがなを描く創作活動に取り組む「こころMoji」アーティスト浦上秀樹さん(46)=春日部市上大増新田=が、新元号「令和」に「よきみらい」を描いた作品を発表した。

 「令」をよく見ると、「よき」が上下に、「和」は禾に「みら」、口の部分に「い」が描かれている。

 浦上さんは1993年、21歳の時に筋肉が減少する進行性の病気「遠位型ミオパチー」を発症。2010年から口に筆をくわえ、「こころMoji」の創作活動を始めた。県内外で個展を開いたり、企業やイベントのロゴをデザインするなど活躍している。

 4月1日、元号が発表され「初めは正直しっくりこなかった」と浦上さん。安倍晋三首相の解説を聞いた際、「令和」に当てる「よきみらい」の文言がひらめいたという。

 浦上さんは「“令”が冷たくとがっている印象があったので柔らかく書こうと。“和”の口の部分は角を取り丸くしようと思いました。4時間後には描き上がってました」と作品を紹介した。

 5月1日から、横浜市のトヨタハートフルプラザで個展を開催。「今までとは違ったものを作りたい」と、色彩に変化を加え、組作品を制作するなど創作活動の幅を広げている。

 浦上さんは「誰もが令和の時代は良かったと思える時代になるよう願いを込めて描いた。文字を通して一人でも多くの人の心に変化を与えることができれば」と語っている。

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