埼玉新聞

 

教員不足、埼玉の学校でも 厳しい年度途中の補充、見つかりにくい代替教員…仕事せず待つ人「少ない」

  • 教員不足、埼玉の学校でも

 公立小中高校、特別支援学校の教員について、昨年4月の始業日時点で2558人が計画通り配置されていなかったことが31日、文部科学省が初めて実施した教員不足の全国実態調査で分かった。全体の5・8%の1897校が該当。小中学校では多忙化への敬遠などから教員志望者が減少傾向にあるといい、産育休取得者や病気休職者を補う人材が不足する現状が浮かんだ。

 県公立学校の昨年4月の始業日時点の教員不足数は、小学校が128校で168人(不足数1・07%)、中学校が76校で87人(同0・95%)、高校が3校で5人(同0・06%)、特別支援学校が5校で7人(同0・17%)だった。

 県教育局小中学校人事課は小中学校について、「県内では4月3日に学級数が確定してから教員を補充するため、5月に大幅に改善しているが、それでも多い」と話した。臨時的任用教員の登録者の不足や、中学校では美術など技能教科の代替教員が見つかりにくいことを要因に挙げた。代替教員が見つからなかった場合は、「学校内で何とか工夫してもらっている。学校に教員が1人しかいない教科もあるので、他校に協力してもらうケースもある」と説明した。

 小学校は来年度から、高学年の特定教科を教科担任制とし、学級編成標準を5年かけて1クラス35人以下へ引き下げる。教科担任制については、「2020年度から英語などの加配教員(定数に上乗せする非常勤教員)を増やしてきたので、影響はない」とした。一方、35人学級化については、「学級が増えることになるので、さらに教員が不足することも考えられる」と懸念し、「中長期的に、少しずつ採用を増やすよう検討している」とした。

 県立学校人事課は、高校の代替教員について「年度始めよりも年度途中に産休、育休を取る教員の補充の方が厳しい。(臨時的任用教員などの登録者で)仕事をせずに待っていてくれる人は少ない」と現状を話した。

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