埼玉新聞

 

甘くおいしい 「いもあんぱん」など埼玉・富士見の小学生ら考案 パン工房が6点を商品化、期間限定で販売

  • 3年生から6年生までの児童36人が協働したパンづくりプロジェクトの授業=富士見市立水谷小学校(同小学校提供)

  • クマの顔を描いたカップパン「くまかっぷぱん」

 あんにサツマイモを練りこんだアンパンやチョコレートでクマの顔を描いたカップパン。小学生が「食べたい」「買いたい」と思うパンを考案し、街のパン屋が創作パンを製造、販売する。そんなプロジェクトが富士見市立水谷小学校(大畠仁校長、児童数744人)で進んでいる。総合的な学習の時間の一環で、6年生から3年生までの児童が交ざり合う異年齢グループをつくり、テーマ別に取り組むプロジェクトの一環。学年の違った児童らが協力しながら探究的な学びを実現するのが狙い。

 ITが普及するなどリアルな関係が失われ、異年齢が自然に遊ぶ機会が少なくなる中、リーダーシップや多様性などを育もうと、同校は本年度、毎週火曜日に2時間にわたり実施している総合的な学習の時間を活用し、異年齢集団による探究と協働学習に取り組んでいる。

 パン作りを含めた「水谷産をプロデュース~野菜で未来を育てよう~」のほか、「水谷地区の伝統を引き継ごう」「守ろう!自分の体!コロナウイルスってなんだろう?」など七つのテーマを決め、教諭らの提案により、6年生から3年生までの児童がテーマ別に参加している。

 パン作りを選んだのは36人(6年5人、3年9人、4年13人、3年9人)。同グループは昨年10月から1班6人に分け、協議を開始。教育支援会社と市内のしあわせパン工房「KoMugi」の協力を得て、児童らが考案したレシピの検討を重ねながら6点のパンを商品化した。

 創作したパンは、(1)粉末黒糖の香りが鼻から抜け、香りも味も甘くおいしい「水谷小学生監修いもあんぱん」(2)サツマイモのいろいろな味が楽しめる「さつまいも甘煮&スイートポテト☆パン」(3)サツマイモにはちみつを施した「はちみつたっぷりスイートポテトブレッド」(4)手軽にちぎって食べられるサツマイモを練りこんだ「スイートベーカリー」(5)クマの顔を描いた「くまかっぷぱん」(6)キュウリとトマト、レタスを挟んだ「野菜ごろごろサンド」―の6点。

 6点は1日から21日までの3週間、同パン工房で、(1)と(2)は1~7日、(3)と(4)は8~14日、(5)と(6)は15~21日まで、それぞれ期間限定で毎日各10個程度を販売する。(1)~(5)はいずれも税込み200円。(6)は同160円。

 指導している同校の林義幸教諭(37)は「レシピの検討を通してパン作りは簡単ではないということなどいろいろなことに気付いてくれたと思う。3年から6年までが積極的に取り組んでおり、子どもたちの反応は非常によかった」と話している。

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