埼玉新聞

 

大宮で安売り有機青果店オープン 旧図書館を改装した商業施設「ビブリ」の1階 自社製造のビールも

  • 開業前に開かれた八百屋形態の新店舗「Organic&Co.」の内覧会=1月26日、さいたま市大宮区

 協同商事(川越市)は1月29日、旧大宮図書館(さいたま市大宮区)を改装した商業施設「Bibli(ビブリ)」の1階に、オーガニックの青果物を扱う八百屋形態の新店舗「Organic&Co.」を開業した。常時50品種程度の有機の青果物をそろえ、「量り売り」で販売する。青果物卸売業の利点を生かし、一般的な小売りよりも価格を抑制。仕入れた野菜のスムージーや、自社製造のビールも販売し、近隣地域の使い勝手の良い店舗を目指す。

 朝霧重治社長によると、卸売業を生かした青果店の開設は数年前から検討していたという。同施設の運営組織の一つである戸田建設から打診があったほか、徒歩圏内に小売業が少ないこともあり、新形態の出店を決めたという。

 店内は青果を輸送するために使う什(じゅう)器やリヤカーなどを野菜を入れるケースとして使い、内装には農業生産用のビニールハウスの骨組み金属などを採用。生産者からの直送感を演出している。

 卸売業の調達網を活用し、取引がある全国の生産者から青果を仕入れる。県内も主要産地の県北部から自然農法にこだわる野菜を調達する。食品スーパーなどであまり扱われていない野菜も、利用者からの要望があれば、随時仕入れる。

 青果はビニールなどに包装せず、利用客にも手提げ袋の持参を呼び掛け、脱炭素を進める店舗運営に努める。包装物の購入費用を抑制するほか、卸売業の利点を生かし、市価より2割程度抑えて販売する。

 仕入れから一定の時間が経過した葉物野菜は、繊維を破壊しない急速冷凍機で凍らせ、店舗で作って販売するスムージーに使う。仕入れた野菜でスープなどを作り販売することも想定する。同社の本業の一つでもあるビール製造部門では、専用瓶によるビール販売も行うほか、近隣にある氷川神社の参拝客らにもテークアウト用で提供する。

 営業時間は午前10時から午後6時だが、利用状況などを踏まえ、適宜変更する。朝霧社長は「利用者の声も取り入れながら、地域に親しまれる店舗にしたい」としている。

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