埼玉、東京、群馬…地元意識に目覚めて 中山道の御宿場印、地元信金が製作 起点の日本橋から群馬・坂本宿まで18カ所、18種類 今後は長野以西にも働きかけ、製作目指す
2024/12/01/14:29
中山道の御宿場印が1日から、埼玉、東京、群馬の1都2県の旧宿場町などで発売される。埼玉縣信用金庫(本店・熊谷市)、川口信用金庫(同・川口市)をはじめ、各宿場があった地域に本店を置く信用金庫が製作。地元の観光協会などに寄贈し、販売してもらう。開始を控えた11月29日には、熊谷市内で中山道「御宿場印めぐり」開通記念セレモニーが開かれた。
御宿場印は足立成和信用金庫(本店・東京都足立区)が発案し、2021年4月に日光街道と日光西街道の御宿場印からスタートした。中山道は6本目の街道となり、同信金のほか5信用金庫が参加。土屋武司理事長は「コロナ禍で商店などが大打撃を受けたのを見て、何とかしたいと考えたのがきっかけ。歴史や文化といった地域資源を生かしたかった」と説明する。
中山道編は起点の日本橋から坂本宿(群馬県)まで、18カ所、18種類の御宿場印を製作。各宿場の地域ごとに御宿場印(税込み300円)を千枚、保存用の御宿場印帳(同2750円)を30冊ずつ提供した。寄付を受けた各地の団体は今後、初期分の販売益で増刷していく仕組み。
プロジェクトの理念に賛同した埼玉縣信用金庫の池田啓一理事長は「私たちが動くことで、行政や観光協会の施策につながる。課題として掲げる市街地の活性化が実現できれば」と展望する。川口信用金庫の飯田雅弘理事長は「県南部には都内から移り住んだ人も多いが、御宿場印によって地元意識に目覚めていただきたい」と期待した。
開通式は中山道が店内を通っている同市仲町の八木橋百貨店で催され、関係者がテープカットを行った。中山道編は今後、長野県以西の宿場でも各信用金庫に働きかけ製作を目指すという。販売場所は、足立成和信用金庫のホームページに掲載している。