驚き!中2男子、祖母へ作った弁当が厚生労働大臣賞 当初は失敗、友人に笑われ奮起、今は家族の食事も作る
全国中学生創造ものづくり教育フェアの「あなたのためのおべんとう」コンクールで、川越市立福原中学校(長田茂樹校長)の2年生石井利勇(りお)さん(14)が、3位に相当する厚生労働大臣賞を受賞した。大好きな祖母の健康を気遣うメニューを盛り込んだ弁当を考え、感謝の気持ちを表そうと応募。地区予選を勝ち抜き臨んだ1月22日の全国大会で、輝かしい成果を収めた。
フェアは中学生対象の「ものづくり甲子園」に位置付けられ、今回で21回目。2年ぶりに開かれた今大会のおべんとうコンクールは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、出場者の各学校をオンラインで結んで行った。食べてもらう相手を想像して作った弁当を発表。制限時間50分以内で調理する様子を収録した動画とリポートを提出し、1分間のプレゼンテーションを行った。
「心も体も元気いっぱいカラフル弁当」と名付けた石井さんの作品は、祖母郁子さん(66)への思いがふんだんに詰まった力作だ。石井さんは「爽やかで元気なおばあちゃんをイメージし、花や自然を連想させる飾り付けを工夫した」と振り返る。
サバの竜田キノコあんかけを主菜に、皮むき器でスライスしたニンジンとキュウリを使ってアザレアの花を表現。高血圧を抑える効果があるリンゴでバラの花を作るなど、健康に配慮しながら、見た目も華やかな弁当に仕上げた。指導した中林晶子教諭(35)は、「自分で調べて栄養素のバランスをきっちり満たしてきたし、調理の手際もたいへん良かった」と驚く。
石井さんが料理に目覚めたのは、昨年春ごろだという。思い立って挑戦したベーコンエッグが失敗し、友人に話したところ笑われたのが悔しくて奮起。料理本やウェブの調理動画を参考にしながら、週3、4回は家族の食事を担当して腕を磨いた。「調理の流れを頭で考えて作るのが楽しい。賞をもらえてうれしかったし、自信になった」と石井さん。郁子さんは「孫もいつかは自立しなければいけない。料理を通して、すごく成長した」とほほ笑んだ。