訓練、実は本物の爆破予告メール来ていた…不審物の「発見想定」からリアル捜索へ 県議会 爆破予告で開始が1時間半遅れ
埼玉県議会は2日、12月定例会開会日散会後に浦和警察署の協力の下、県議会議事堂で不審物が発見されたことを想定した訓練を実施した。県議会議員90人のほか、県議会事務局職員や浦和警察署員が参加。11月30日に届いた爆破予告の影響で、1時間半ほど開始が遅れた。
訓練は議会開会中に議事堂1階の玄関ホールで不審物が発見された設定で、110番を受けた署員が双眼鏡での外形観察など不審物の対応手順を確認。議員らは会派控室から議事堂の横にある第3庁舎を経由して屋外に避難した後、会派ごとに点呼を取り安否確認を行った。同ルートを使用した議員の避難訓練は初めて。
また、同日午後には希望した議員を対象に、さいたま市消防局職員らによる救命講習を実施。県議ら34人が参加し、自動体外式除細動器(AED)の使用方法、呼吸の確認や胸骨圧迫のやり方など心肺蘇生法について講習を受けた。
訓練を終えた斉藤邦明県議会議長は人命が第一とした上で、「テロなどの脅威に対応しつつ議会活動できるよう、訓練をブラッシュアップして続けていく」とし、爆破予告を受けて「議会が遅滞しないような危機管理体制の構築に早急に取り組む」と話した。県議会では9月に県内一斉防災訓練の「シェイクアウト」や風水害対応訓練を行うなど、不測の事態への対応力強化に努めている。
■県警捜索、本会議遅れ
県議会ホームページの問い合わせフォームに、県議会の爆破を予告するメールが届いていたことが2日、分かった。
県議会事務局総務課によると、メールは11月30日午後3時半ごろに届き、「あさって県議会を爆破します」と書かれていた。問い合わせの確認は開庁日に行われるため、2日午前8時ごろに担当者が気付き、県警が不審物の捜索を行うなどした。
同日は県議会12月定例会の開会日で、本会議の開会に約1時間40分の遅れが生じた。