交通ルールの順守や犯罪被害防止の徹底を呼びかけ 声優・茅野愛衣さんが一日警察署長 秩父が舞台のアニメ「あの花」で主人公役 埼玉で「一番小さな警察署」の小鹿野署
小鹿野署は11月30日、小鹿野町役場周辺で、冬の交通安全事故防止運動と年末年始特別警戒出発式を実施した。秩父が舞台のアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)」の主人公めんま役の声優・茅野愛衣さんを一日警察署長に委嘱し、会場に訪れた地域住民やあの花ファンらに交通ルールの順守や犯罪被害防止の徹底を呼びかけた。
茅野さんは昨年10月、同署管内の椋神社(秩父市下吉田)で行われた「龍勢祭」に参加し、手作りロケット「あの花龍勢」の口上を担当。茅野さんの「ご奉納―」のかけ声とともに、あの花龍勢は見事に大空へ打ち上がった。その後も市内のさまざまなイベントに参加し、多くの来場者を楽しませている。
茅野さんが一日警察署長を務めるのは初めて。今回の依頼を受けた際は、「めんまは事故で亡くなっているので、命の大切さを多くの人に伝えるいい機会になる」と、気持ちが高まったという。佐藤忍署長から委嘱状を受け取った茅野さんは「(放送から)10年以上が経過しても、秩父の方や全国のファンが親しみを持ち、つながり続けてくれている。みんなの安全意識の向上に、少しでも力になれたら」と気持ちを引き締めた。
キャンペーンには同署員のほか、県警察音楽隊や交通機動隊、森真太郎町長、地元の交通安全団体らが参加。警察の制服を着用した茅野さんは、めんまの声で「自転車乗車時のヘルメット着用」「家にいても常に留守番電話設定」などの安全宣言を行った。警察車両点検やドライバーへの啓発品配布などもこなした。
同署の交通死亡事故ゼロ日数は同日時点で4801日となり、県内39署の最長記録を更新中。佐藤署長は「小鹿野署は県内で一番小さな警察署だが、署員は全力で管内の交通事故、犯罪防止に当たっている。引き続き関係団体皆さまの協力をお願いしたい」とあいさつした。