駅前に「冷蔵ハンバーガーの自販機」を設置した会社員の思い カラオケ店が商品製造「普通ではつまらない」
2022/02/15/00:00
毛呂山町若山の東武越生線武州長瀬駅北口ロータリーに、ちょっぴり変わった自動販売機がお目見えした。クリーム色の本体に大きく書かれた「ハンバーガー」の文字。販売しているのは冷蔵ハンバーガーで、持ち帰って電子レンジで温めて食べる。「地域の名物に」と、土地を所有する会社員神藤慶太さん(35)が、自販機オーナーとなって設置した。
神藤さんは和光市から毛呂山町へ移住したばかり。周辺は区画整理が行われ、まだ店が少なく、空き地も目立つ。「夜は真っ暗。24時間売れる自販機ならば街灯代わりにもなる」と思い、自販機の設置を考えた。「普通の自販機ではつまらない」と探したところ、ハンバーガーの自販機を製造している長野県飯田市の自動車修理販売業「ガレージいじりや」にたどりついた。
同社の小林由季(ゆき)社長は、そばなどの食品を温めたり調理して提供する「レトロ自販機」を巡るのが趣味。それが高じて本業の傍ら、既存の自販機を改造して冷蔵ハンバーガーの自販機を作った。2020年8月、同社前に第1号を設置。今では栃木県や大阪府、愛知県などに計11台設置されているが、埼玉県内で稼働するのは初めてだ。
ハンバーガーは、飯田市内のカラオケ店が製造。おいしい料理を出す人気店だったが、新型コロナウイルス感染拡大のため営業できず苦境に陥っていたこともあり依頼した。「喜んで一生懸命作ってくれている」と同社長。月3千~5千個を、全国の自販機に納入している。
武州長瀬駅に自販機が登場したのは1月26日。この自販機では普通のハンバーガーからお好み焼き風バーガーまで6種類を取り扱っている。1個300~350円。
神藤さんは「ファストフード店のハンバーガーよりも肉厚。ボリュームがあって、肉の味を楽しめる」とPRしていた。