カンボジアを拠点に特殊詐欺電話をかけていた日本人の男ら33人が逮捕されるなどした事件で、県警は9日、新たに犯行に使用する物資の調達役として関与したとして、詐欺の疑いで男（36）をフィリピンから移送する航空機内で逮捕した。

　同本部はこれまでに、高齢女性を対象とした同様の特殊詐欺の手口で犯行を行ったとして、男33人を逮捕、再逮捕するなどしており、グループによる特殊詐欺事件110件を確認。被害総額は10億1700万円に上った。ほかにもリーダー格の人物がいるとみて捜査を継続するとともに、国外を拠点とした別の特殊詐欺グループとの関連の有無を調べている。

　男は氏名不詳の者らと共謀し、昨年7月、カンボジアから介護施設担当者などを名乗り長野県の80代女性に対して、「介護施設に優先的に入居する権利を有している」として譲渡を提案した上で「権利を他人に使用させると犯罪に当たる」などと電話。疑いを晴らすための費用として、指定した場所に現金計275万円を送付させてだまし取った疑いが持たれている。