埼玉新聞

 

<新型コロナ>財政非常事態宣言、埼玉・新座市が解除へ 事業見直し、想定以上の交付金、市税収入など好調

  • 新座市役所=埼玉県新座市野火止

 新型コロナ禍に絡み大幅な市税の減収などが見込まれるとして、新座市は、2020年10月に財政非常事態宣言を発令し、事業の廃止や休止などによる21年度一般会計で緊縮予算を組んだが、15日、今年度末に同非常事態宣言を解除する、と発表した。

 同市は、「市税収入などが堅調で、年度末の財政調整基金残高は75億円、経常収支比率が95%未満を見込める」としている。

 国の財政諮問会議が示した国内総生産見通しを基に21年度予算を試算した際、市税の減収などで対前年比で約25億円の財源が不足することが分かり、市は20年10月、同宣言を発令。約170の事業を見直し、廃止や中止などにより21年度一般会計は前年比24億円減の予算編成を行った。

 ただ、21年度は、普通交付税や地方消費税交付金、地方創生臨時交付金などが想定以上に交付されたことや市民税などの税収が好調だったことから、20年9月の緊急事態宣言時に約9億6千万円だった財調基金の残高は今年3月末時点で75億円が積立られる見通しとなった。

 非常事態宣言後に見直した事業について、市は「廃止した事業は復活できないが、休止や中止した事業で、個人や団体などに活用される補助金は、継続が困難とみられる事業を中心に支援する。イベントや祭りなどの文化事業は、これまでの70%の予算で再開したい」としている。

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