埼玉新聞

 

いじめ、ないが9割…SNSでいやな思いした人の増加、心配 埼玉・蕨、児童生徒らいじめなくす取り組み

  • いじめのない学校づくり会議で司会する、左から南沢玲奈さん、野村莉音さん。右端は生徒会担当の本郷伊希子教諭=17日、蕨第一中学校校長室

 蕨市教育委員会は17日、市内の全小中学校10校(小学校7、中学校3)でいじめをなくすためにどんな取り組みが行われているかを児童生徒たちが発表する「いじめのない明るい学校づくり会議」を開いた。第一中学校の校長室で同中生徒会代表が司会し、10校の代表者の児童生徒たちがオンラインで参加。いじめを防ぐための、学校ごとのさまざまな取り組みを報告した。

 東小では「どんな言葉をかけられたら温かい気持ちになるか」を考え、温かい言葉をカードに書き廊下に張り出した。西小は「友だちの大切さ」を考える「いじめゼロ検定」を考案した。

 これまでのいじめ防止活動について反省する発表もあった。南小は「いじめに対して学校全体の取り組みが足りない」。北小は「あいさつ運動がマンネリ化している。やり方や企画を児童会などで考える必要がある」と話した。

 「いじめはダメ」という気持ちを「見える化」する活動もあった。中央小では葉の一枚ごとに児童がメッセージを書いた木を心が温まる「ぽかぽかの木」と命名し昇降口に飾った。塚越小は「友だちの良いところを探して、ほめる」という活動に取り組んだ。

 第一中では「いじめ追放学級討議」をやり、クラスごとに決めた約束事を教室に掲示した。あるクラスの場合、学校生活でいじめを生まないための約束事として「自分がされていやなことはしない」「その人の個性を否定しない」「あいさつは積極的にする」「うわさ話をしない」など。

 第二中はいじめ実態アンケートを行い、結果を生徒会新聞に掲載した。東中は生徒の悩み相談や意見、その返信を生徒会通信で発信している。

 司会を務めたのは、第一中2年生の野村莉音さんと1年生の南沢玲奈さん。野村さんは「アンケートで、いじめを見たり聞いたりした、という人は7・5%で、ないと答えた人は92・5%。活動の成果だと思う。でも、SNSでいやな思いをしたことがある、という人が増えているのが心配」と話す。

 南沢さんは「他校の活動で、私たちもやってみたい活動がたくさんあった」と話した。

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