身近な経済安全保障について知ってもらおうと、埼玉県警外事課は、さいたま市大宮区のレイボックホールで「エコノミックセキュリティ・セミナー」を開催した。声優で県出身の指出毬亜さんをエコノミックセキュリティ広報大使に任命し、来場者約300人に個人情報や技術情報の扱い方について紹介した。

　経済的な手段を用いて国家や国民の安全保障を確保することを意味する、経済安全保障。2018年から19年にかけて、大手化学メーカーの元社員が、交流サイト（SNS）を通じて接触してきた中国所在の企業の社員に、営業秘密であるタッチパネルなどに使用される素材の技術情報を漏えいする事件などが発生した。県警は個人情報や技術情報の扱いには注意するように呼びかけている。

　外事課と指出さんによるトークショーでは、SNSでの個人情報の扱い方について○×クイズで解説。「仕事の肩書はSNSで書かない」「セキュリティに関することは社内で情報共有する」などと呼びかけた。

　同課の渡辺英之課長は「技術は日々進化していき、諸外国がその情報を欲しがるかもしれない。警察としても情報流出を防いで無害化に努めていく」と話していた。