プラごみ問題を研究 加須の寺田さんが全国1位の最優秀賞 東京海洋大のこどもサミット 父と東京湾で魚を釣り、消化管調べる
海や水辺の課題を発表する「森川海街こどもサミット2024」が、東京海洋大学の品川キャンパス白鷹館で開かれ、加須市立原道小学校6年生の寺田実礼(みらい)さん(12)の発表「日本の砂浜のプラスチックの状況と魚への影響」が全国1位の最優秀賞を獲得した。科学的な探究力が高評価を得た。
サミットは、東京海洋大学の水圏環境教育学研究室(代表・佐々木剛同大教授)が主催。対象は日本とアジアの子どもたちで、昨年に続いて2回目。2021年の「ユネスコ海洋リテラシー世界会議」で採択されたプログラムをベースに、世界の国々と連携しながら推進している。
寺田さんは発表で、「地球全体の海に、毎分ゾウ1頭分のプラスチックごみが捨てられている」と切り出し、「東京湾、駿河湾、糸魚川に流れ着いたプラごみの量を比較したら、東京湾が圧倒的に多かった。東京湾の魚を釣って消化管内を調べたら、11匹中7匹にプラごみが見つかった」と衝撃的な結果を報告した。
審査に当たった一人、同大海街コミュニティ・スクールネットワーク推進本部の井上寛美事務局長(47)は「小学生から高校生までが対象の発表で1位だった。足を運んで調査し、検証を進めている。審査は、主体性、自然とのつながり、科学的探究力で行うが、科学的探究力で一番高い評価だった」と絶賛した。
寺田さんは「プラごみ問題をインターネットで知ったのが研究のきっかけ。最優秀賞はすごくうれしい。東京湾の魚釣りは夏休みにお父さんと行った。魚の消化管内にプラごみが予想以上に多いことにびっくりした。魚がプラごみを食べるのはもっと先のことだと思っていた」と話した。
一緒に魚釣りをした父親の浩之さん(43)は「パソコンが得意な子で、興味を持ったことは何でも自分で調べている。発表資料も一人で上手に作った」と紹介した。