埼玉新聞

 

ヤオコー、無料配布のスプーンやフォークを木製・紙製に プラごみを削減、イオンやライフなども同様の対応

  • ヤオコーではプラスチック削減へ店舗で提供のスプーン・フォークをプラスチック製から木製・紙製に3月から順次切り替える=同社提供

  • ヤオコー、プラ製食器を木・紙製へ

 食品スーパーのヤオコー(川越市)は22日、3月から全店で無料で配布するスプーンやフォークといったカトラリーを、プラスチック製から木製・紙製に順次転換すると発表した。脱炭素へプラスチックごみの削減に関する法律が4月に施行されることへの対応。関東一円で展開する全178店(2月現在)で対応する。

 同様の対応は小売業ではイオンリテールやライフなどで、その方針を打ち出している。外食関連ではマクドナルドが推進する。

 ヤオコーの具体的な取り組みは、レジそばで配布のデザート用スプーン、総菜用先割れスプーンを木製に変更。試食用ではスプーンを紙製、フォークを竹製に切り替える。

 これらの取り組みで年間約1700万本のプラ製スプーンとフォークの削減につながり、約160トンの二酸化炭素(CО2)の削減効果を見込む。先行してビニール袋入りの割り箸を紙袋に転換した。

 2020年7月から「容器包装リサイクル法」に基づき全国でプラ製買物袋の有料化が始まった。4月からプラ製品の削減などを事業者に求める「プラスチック資源循環促進法」が施行される。

 引き続き無料で提供する一方、変更に伴う費用が多いなどコスト負担増を指摘する小売業は少なくない。それらの動向も踏まえヤオコーでは「脱炭素の推進へ、必要な取り組みは着実に進めなければならない」とした。

 同促進法は使い捨てプラ製品を年間5トン以上使う事業者に、使い捨て抑制や回収・リサイクル、環境配慮型素材への転換などを義務付けている。削減対策が義務化されるのは、小売業ではカトラリー関連、宿泊業は歯ブラシ、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワーキャップ、クリーニング業がハンガーや衣類用カバー。

ツイート シェア シェア